8月2日、F.C.C. TSR Honda Franceから『2023 FIM世界耐久選手権（EWC）第3戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会』に参戦することになったタラン・マッケンジーが、TSRのホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SPを走らせた。急きょの代役出場となったが、どのような経緯で決まり、どのようなテストをこなしたのか聞いた。
ジョシュ・フックが右肩を骨折して、鈴鹿8耐への参戦をキャンセルすることが発表されたのが7月28日。2名体制を前提に代替ライダーも模索しているとチームが説明していたが、8月1日にタラン・マッケンジーを起用することが明かされた。
「当初はTeam HRCのリザーブライダーだったので、ここに来て乗ることは少し驚きだよ。本当は、鈴鹿8耐を体験するというよりは、何よりも将来を見据えることが目的だった」とマッケンジー。
「ここに来てから物事が進んだんだ。ジョシュが負傷したことは知っていたけど、何も言われていなかった。火曜日に鈴鹿に到着した際に、水曜日のテストを走って週末のレースに出場できるか尋ねられたんだ」
HRCライダーのリザーブとして、走る準備はできていたマッケンジーだったが、まさか別チームで走るとは思っていなかったという。もちろんTSRホンダのマシンに乗ることも初めてで、水曜日のテストでコースを周回した。
「たっぷりロングランはしなかったけど、周回を重ねるごとにどんどん快適になっていった。というのも、2カ月間スーパースポーツ（600cc）に乗っていて、（6月のテストから）スーパーバイク（1000cc）に乗っていなかったので、最初はすべてが少し慣れなかった。感覚は違ったけど、走るにつれて快適になり、最終的にはそれほど悪くなかった」
「だからとてもうまくいった。僕の唯一の経験はTeam HRCのバイクに乗ったことだけなので、すべてがほぼ同じだったけど、異なっていた。だから僕は（攻めずに）大丈夫な仕事をする。あとはレースでどうなるかだけど、決勝でロングラップをするのは初めてだよ」
そう語るマッケンジーはテスト走行では2分08秒4がベストタイムだったという。また、Team HRCとTSRホンダのマシンの違いについて質問したが、特性は似ていたようだ。
「シャシー、ブレーキング、サスペンションのフィーリングが似ている。ただ、バイクのライディングポジションがわずかに違ったよ。エンジンも少し違うね。少しずつ違うけど、大部分は似ていたよ」
さらに、ゼッケン1を掲げるチャンピオンチームから参戦することにプレッシャーを感じているか聞くと、「プレッシャーは感じていないよ」と語った。
そんな彼は先週末に行われたスーパースポーツ世界選手権（WSS）第8戦チェコのレース2で優勝を飾っており、絶好調。鈴鹿8耐でも代役にふさわしい走りを見せるだろう。
