9月10日、2023年MotoGP第12戦サンマリノGP MotoGPクラスの決勝がミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは7位、ジョアン・ミルはリタイアで終えている。
また、今回ワイルドカードで参戦したステファン・ブラドル（HRCチーム）は18位、日本勢の中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は19位となっている。
迎えた決勝レースでは、多くのライダーがフロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択するなか、ホンダ勢のみがリヤにソフトタイヤと選択が分かれた。ホンダ勢最上位となる9番手からスタートしたマルケスは、オープニングラップでは8番手にポジションを上げる。
9周目には、前を走るミゲール・オリベイラ（クリプトデータRNF・MotoGPチーム）をパスして6番手に浮上し、マーベリック・ビニャーレス（アプリリア・レーシング）を追う。徐々にギャップを詰めていくが、わずかに届かず、さらに終盤には追い上げてきたオリベイラに先行を許してしまう。それでも、マルケスは後ろのライダーからの追撃を振り切って、決勝では今季ベストリザルトとなる7位でフィニッシュした。レプソル・ホンダ・チームとしては今季初のトップ10フィニッシュで、マルケスは3戦連続でのポイントを獲得となった。
ミルは早々に中上を捉えてポジションを上げる。しかし、その後にミケーレ・ピロ（Aruba.itレーシング）とジャック・ミラー（レッドブルKTMファクトリー・レーシング）ふたりの転倒を避けるために順位を下げることとなった。その翌周には、4コーナーで自身も転倒を喫してしまい、リタイアとなってしまった。
ブラドルはスタートでいくつかポジションを下げてしまうが、中盤から終盤にかけて前のライダーを何度かオーバーテイクする様子も伺えた。そして、転倒が相次ぐなかでも、最後まで安定した走りを見せ、18位でチェッカーを受けた。
月曜日には、引き続きミサノで公式テストが行われることになる。今大会でマルケスは今季ベストの7位を獲得したが、ホンダ勢はここまで苦戦を強いられている。課題となっているのがリヤのトラクション不足だが、テストでは改善に努めるとともに、2024年シーズンに向けての開発もスタートさせていく。
■マルク・マルケス（決勝：7位）
「今大会はル・マンと並び、今年最高のレースだったよ。そして、今シーズン最高の日曜日になった。今日は持てる力を最大限に発揮し、目標を達成することができた。リヤタイヤに選択したソフトタイヤのパフォーマンスが少し落ちるまで、とてもいいリズムだった。今日はアプリリア勢、そしてドゥカティのマリーニ選手といいバトルができたよ」
「目標は、今後もこの状態をキープすることだね。明日は2024年シーズンを占う重要なテストがある。自分のライディングスタイルでマシンがどうなるかを確認し、エンジニアと協力して仕事を始めるのを楽しみにしているよ」
■ジョアン・ミル（決勝：リタイア）
「スタートはよくなかったけれど、昨日よりも多くのライダーをオーバーテイクすることができたんだ。ピロ選手とミラー選手が転倒したときは、彼らを避けなければならくてタイムをロスし、せっかく上げたポジションも失ってしまった」
「そして、その次の周に、同じコーナーで自分も転倒してしまったんだ。しかし、今大会はポジティブなポイントがあり、いくつかのステップを踏むことができたよ。明日は2024年シーズンに向けて、気持ちも新たに、未来に向けた取り組みを開始するよ」
■ステファン・ブラドル（決勝：18位）
「今週末の作業は重要で実り多いものだった。予選などいくつかのハイライトはあったが、まだやるべきことはたくさんある。他のMotoGPライダーたちと比較することで、より多くの情報を得ることができる。明日、僕たちは再び僕たちの世界でテストに挑み、多くの人が注目することになると思う。いくつかのポジティブなことがあった週末だったから、今度はテストでも同じことを目指していくよ」
■中上貴晶（決勝：19位）
「いままで腕上がりを経験したことがなく、レース後半は、全くペースを上げられませんでした。これから腕のケアを行い、明日のテストの準備を進めます。明日のテストでは、いくつかのアイテムを試すことになります。とても重要なテストになると思うので、有意義な1日にしたいです」
