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投稿日: 2021.07.02 08:00

RECARO RACING TEAM 戦いの流儀。86/BRZレース表彰台への羅針盤となるドライバーの決意

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国内レース他 | RECARO RACING TEAM 戦いの流儀。86/BRZレース表彰台への羅針盤となるドライバーの決意

■レカロレーシングから参戦する井口の決意。初勝利がチームの考え方を一新

 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race(86/BRZレース)のプロフェッショナルクラスで988号車BRZのステアリングを握る井口卓人は、スバルのワークスチームとも言えるCG ROBOTレーシングチームから移籍し、2020年シーズンからレカロレーシングチームで戦っている。

 新しい環境に身を投じることで自分自身をさらに成長させたいと道を探っていた井口には、レカロのモータースポーツに挑戦する姿が魅力的に映ったようだ。

「2019年の十勝のレースで井口選手と立ち話をしたときのこと。彼が『レカロで走ります』と言うんです。笑いながらではあったけれど、冗談というわけではなかった。充分チャンピオンを狙うことができる井口選手を参戦1年目のチームが受け入れるなんて、あまりに突然でそのときはそんな覚悟を持てませんでした」とチームマネージャーの前口光宏氏は振り返る。

 モータースポーツの現場で、商品開発につながる知識と経験を学ぶという位置づけで発足したレカロレーシングチーム。勝利を目指すということは二の次だった。

 けれど前口氏は、その数カ月後に井口と会い、じっくりと話をする機会を持つ。当時のチームの考え方や参戦計画について説明し、井口がそれに納得したうえで彼のチーム加入が決定した。

「井口選手とともにレース活動をしてわかったことですが、彼の頭のなかは何に対してもすごくシンプル。プロドライバーとして与えられた環境において結果を求めるのは当たり前で、いかに集中力を高めてマシンを走らせるかを常に大事にしているのだと思います。チームを移籍したことも、そしてマシンセッティングやレース前の準備にも、そんな思考が表れていると感じます」と語る前口氏。

 ナンバー付きワンメイク車両で行う86/BRZレースにおいては、細かいセッティングよりもドライバーがマシンを速く走らせることができるかが重要というのが井口の持論だ。

 とはいえ他のチームやドライバーは、コースや気温、路面状況などに合わせてセッティングの微調整を繰り返す。チームメイトの佐々木孝太もそのひとりである。

 すべてはコンマ1秒を削るための作業なのだが、井口は選択肢が増えることをあまり好まない。あっちのほうが良かった、いやこっちだったのかなと悩むより、これしかないという状況に自分を追い込み、ドライビングに集中したいと言う。

「佐々木選手は、誰よりも車載映像とロガーデータをきめ細かく確認しながら、チームスタッフとドライビングやマシンのセッティングについて、常に会話を繰り返しています。それによって、チームのひとりひとりが自ら考え行動するきっかけを作り出してくれました。一方で、井口選手はチームにとって羅針盤です。井口選手の存在、レースに向かう姿勢、言動すべてが、チームの進むべき方向を示してくれるのです」と前口氏は話す。

 昨シーズンの第4戦、十勝ラウンドにて、井口はレカロレーシングチームに初優勝をもたらした。まずはこのチームで一勝という公約を見事に実現したのである。

 しかし十勝の勝利は、そのレース内容から見ても井口の覚悟がもぎとった結果であって、チームとしてドライバーに充分なことができたとは言い切れない。

 “勝つためにはチームとして何をすべきなのだろう” チームがそう考えることにより、スタッフ全員が強い気持ちで、同じ方向を目指すことができる。そうすればチームは必ず強くなる。

 強いチームになればこそ、レカロとしても学ぶべきことがより多くなる。前口氏はそう考えるようになった。井口の初勝利がチームの考え方まで変えたのである。これは井口がチームの向かうべき方向を行動で示した瞬間でもあった。まさにチームの羅針盤である。

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