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国内レース他 ニュース

投稿日: 2021.09.21 12:30
更新日: 2021.09.21 12:35

OTG Motorsports 2021年FIA-F4第8戦/第9戦/第10戦SUGO レースレポート

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国内レース他 | OTG Motorsports 2021年FIA-F4第8戦/第9戦/第10戦SUGO レースレポート

FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP
Rd,8-Rd,10 OTGmotorsports REPORT

9月11日(Round.8~9)
天候:曇 コース:スポーツランドSUGO
9月12日(Round.10)
天候:曇 コース:スポーツランドSUGO

 年間6大会14戦で競われている2021年の『FIA F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)』。今季は、ゴールデンウイークに富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第2戦との併催でシーズンが開幕した。その後、7月にはツインリンクもてぎ大会、8月には5月末開催から延期となっていた鈴鹿サーキット大会が実施され、3大会7戦が終了している。そして、第4大会の舞台となるのは宮城県のスポーツランドSUGOで、9月11日(土)に予選と第8戦、第9戦、12日(日)に第10戦が実施された。

 大阪トヨペットグループは、FIA-F4選手権の若手育成や才能を発掘するといった理念に共感し、シリーズが始まった2015年から同選手権をサポートしている。2017年からはFIA-F4選手権の独自のスカラシップとなる『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE』が大阪トヨペットグループ・ダンロップの協力の元、GTアソシエイションによって設立され、この権利を得たドライバーは大阪トヨペットグループのモータースポーツ部門となる『OTG MOTORSPORTS』からサポートを受け参戦することとなった。

 2021年のFIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVERは昨年から継続となった伊東黎明選手で、昨シーズンは参戦1年目ながら表彰台にも登り今後の活躍が期待される若手ドライバー。今シーズンもツインリンクもてぎの第5戦で2位に入るなど、開幕戦から7戦目まで全戦でポイントを獲得している。レースウイークは9月9日のダンロップトレーニングから開始され、翌日のOTGトレーニングともに伊東選手はトップタイムをマーク。好調さを示しスポーツランドSUGO大会の3連戦に臨んだ。

予選
第8戦:2位、第9戦:3位

 今大会は3レース制となっているため、予選のベストタイムが第8戦、セカンドベストタイムが第9戦のスターティンググリッドとなり、第10戦のスターティンググリッドは第8戦のベストタイム順に並ぶことになる。予選時のコンディションは明け方に雨が降ったことによって一部の路面が濡れていたもののスリックタイヤで走行することができ、ドライコンディションと変わらないタイムとなっていた。

 伊東選手は予選開始とともにウォームアップを始め、計測6周目に1分24秒台を記録して計時モニターの2番目に名前が表示された。ここからタイムを伸ばしたいところだが、コース上に止った車両を回収するために赤旗が提示された。5分の中断を経て8時46分に予選は再開されると、伊東選手は再びコースイン。コース全長の短いスポーツランドSUGOなのでクリアラップを取ることが難しくタイムが更新できない。30分間の予選が残り5分となったところで、伊東選手は1分24秒447の自己ベストタイムをマークし、最終周には1分24秒257までタイムを伸ばす。結果として第8戦、第9戦ともに2番手グリッドを獲得した。

第8戦
スタート:2位、フィニッシュ:3位

 予定されていた12時15分から20分遅れでスタートしたFIA-F4選手権の第8戦。フォーメーションラップを終えて参戦する33台がスターティンググリッドに並んだが、1台のマシンのエンジンが止ってしまったためにフォーメーションラップがやり直しとなる。そのため決勝レースは17周から1周減算して戦うこととなった。

 2番グリッドからスタートした伊東選手は、シグナルが消えてから加速する間合いが悪かったということで、1コーナーを3番手で通過する。序盤はトップ2台から少し離されてしまうが、5周目に自己ベストタイムの1分24秒474をマークして先行車を追う。全長が短くコース幅の狭いスポーツランドSUGOはパッシングポイントが少なく、勝負を賭けるとしたら1コーナーになる。だが、先行車の真後ろにつくとダウンフォースが抜けてタイムが落ちてしまう。伊東選手は後続を引き離したために2番手を狙う争いとなったが、最後までトップ2をパスすることができず3位でチェッカーを受けた。

第9戦
スタート:2位、フィニッシュ:2位

 スーパーGTの予選を挟んで実施されたFIA-F4選手権の第9戦。2番手グリッドに並んだ伊東選手は、スタートを無事に決めて1コーナーを2番手で通過する。トップを走行するのは第8戦で2番手争いをした選手で、両者はセッティングが異なっているようで得手不得手がはっきりしていた。序盤からコンマ5秒差でトップのマシンを追うが、パッシングするまでには至らない。9周目にはコースオフしたマシンを回収するためにセーフティカーが導入される。11周目にリスタートし、伊東選手はトップに立つチャンスを伺ったが最後までパッシングの機会は訪れず2位でゴールした。

第10戦
スタート:2位、フィニッシュ:1位

 2連戦から一夜明けた9月12日にFIA-F4選手権の第10戦が行われた。3戦連続で2番手スタートとなった伊東選手は、第10戦もポジションをキープして1コーナーを通過する。そのままの順位で迎えた3周目に、S字コーナーの先でストップした車両を回収するためにセーフティカーが導入される。

 回収に時間を要したためレースは8周目にリスタートとなる。リスタートも無難に決めた伊東選手は、2番手を守りつつ後続を引き離してトップを狙う。すると10周目にトップを走行していた選手にスタート違反のペナルティが提示される。翌周にトップを走行していた選手はドライブスルーのペナルティを消化したために伊東選手がレースをリードすることとなった。

 6周を残してトップに立った伊東選手は、後続からギャップを詰められるが最後までリードを保ち17周目にトップチェッカーを受けた。OTG motorsportsとしての優勝は2018年10月のオートポリス大会で菅波冬悟選手が獲得して以来で、FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVERとしては伊東選手が初の栄冠を掴んだことになる。

伊東黎明選手コメント

「木曜日(9日)の練習走行は路面がスリッピーでマシンが流れてしまいタイムが出にくい状況でした。手応えはなかったのですが、それでもトップタイムが記録できました。翌日の練習走行ではコンディションも改善し、ライバル勢に対してもアドバンテージがありそうで自信を持って予選に挑みました」

「ただ予選ではコース全長の短いスポーツランドSUGOということで、序盤はクリアな状況で走れませんでした。途中で中断となり最後の最後にクリアラップがとれ、そこで好タイムがマークできたのです。タイヤのパフォーマンスは最適な状況ではなかったですが、それでも第8戦、9戦ともにフロントロウが獲得できたことは良かったです」

「第8戦はスタートの反応が悪く1コーナーまでにポジションを落としてしまい、中盤からギャップを詰めていったのですが先行車に追いつくとフロントのダウンフォースが抜けてしまいます。そのためパッシングすることができず3位となりました。第9戦はポジションをキープして1周目をクリアできましたが、そこからは第8戦と同じような展開で2位となりました。連続での表彰台でしたが、これまでも2位と3位は獲得していたので第10戦は是が非でも勝ちたいと臨みました」

「第10戦もフロントロウスタートで中盤まで2位を走行していました。10周目にトップを走っていた選手にペナルティが与えられてトップに立ちました。チェッカーまで残り5周以上ありましたが、後続のマシンが迫ってきても抜きにくいのは分かっていたので1コーナー、1周を大事に走りました。2018年の菅波冬悟選手以来の優勝をチームに届けられてうれしかったです。今回の3戦でポイントを積み重ねられ、シリーズチャンピオンを狙える状況に戻れたので、次戦以降もこの流れを持ち込みたいです」


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