■トップドライバーの戦いを支える強靭なつくり
クルマの運動性能に多大な影響を及ぼすアルミホイール。GR86/BRZ Cupでは交換が可能な数少ないパーツであり、勝利を獲得するために決して無視できない存在といえる。
BBSの鍛造アルミホイールは、DTEC TEAM MASTER ONEをはじめ、多くのチームが選択しており、プロシリーズ、クラブマンシリーズともに10チーム以上に供給されている。その理由はなぜか? 厳しいレースを制するための、類いまれなる高性能を持ち併せているからにほかならない。
BBSのアイデンティティともいえる鍛造製法。素材となる鋳造ビレットを時間と手間をかけて1/4以下の高さに圧縮する。強靭さとしなやかさ、そして軽さという、相反する要件を高次元でバランスさせており、トップドライバーも一目置いている。
ホイールの隅々まで途切れることなく流れる鍛流線(メタルフローライン)が高性能の証。シンプルでありながらまったく無駄のない造形は、まさに機能美の集大成といえる。
なかでも、本企画で紹介するアルミ鍛造1ピースホイール『RI‐A』は、国内最高峰のレース、スーパーGTに実戦投入されたモデルとまったく同じ思想、造形で作られた究極のレーシングスペックだ。GR86とBRZの登場に伴い、7.5J×17、インセット44が追加ラインアップされ、GR86/BRZカップに実戦投入された。
特筆すべきは、その強靭さである。タイヤのグリップ性能を最大限に引き出すには、路面からの激しい入力をしっかり受けとめられるだけの高い剛性が求められる。細身の5本クロススポークデザインを採用するRI‐Aでは充分すぎるほどの強度を実現しつつ、駄肉を限界まで削ぎ落とすことで、スポーツホイールに求められる軽さを確保。過酷なレースシーンでも確かな高性能を発揮する。
「ホイールもいろいろありますが、選び方ひとつでアンダーステアがオーバーステアになるなど、クルマの挙動に大きな影響が出るだけに、重要なセッティングパーツのひとつとして捉えています。ウチでは確かな品質や性能を兼ね備えるBBSのホイールを昔から採用しています。剛性や靭性、軽さやデザインなど、トータル性能が優れているからです」と語るのはDTEC TEAM MАSTER ONEのプロジェクトリーダー、横田浩之さん。
プロフェッショナルシリーズでは指定部品のブレーキキャリパーに交換する必要があるが、純レーシングスペックとも言えるRI‐Aならブレーキと干渉することもない。細身のスポークにより確保された大きな開口面積も、ブレーキシステムの冷却に大きく貢献している。
「限界領域で安定的に性能を発揮できることが真に優れたホイールである」という考えのもと、BBSのすべてのレーシングホイールと市販ホイールは、まったく同じファクトリー、技術、人の手で生み出されている。
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■97号車 神奈川トヨタ☆DTEC GR86
■神奈川トヨタ☆DTEC GR86
98号車ドライバー
元嶋佑弥選手 Yuya Motojima
見た目がカッコよくて自分の愛車にも付けたいと思うほどです。上品でありながら古典的なBBSらしいデザインが気に入っています。ホイールにとって重要になるのは剛性と重量だと思うのですが、そうした機能面も満足しています。
■DTEC TEAM MASTER ONE
プロジェクトリーダー
横田浩之 Hiroyuki Yokota
剛性やしなやかさ、軽さやデザインなど、BBSはトータルバランスに優れているうえに、確かな品質なのが採用し続けている理由ですね。それと塗装の仕上がりも特筆すべきポイント。レースで酷使しても簡単に塗膜が剥がれません。
■BBS-RI-A
GR86とBRZに対応するRI-A053(7.5J×17 インセット44 5H/PCD100)は、8万8000円/1本。写真はダイヤモンドブラック。
■BBS-RI-A
ゴールドやマットブロンズ、ダイヤモンドシルバーなどのカラーラインアップも充実。ボディ色に合わせたコーディネイトが可能だ。
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■BBS RF
RI-Aとおなじ5本クロススポークデザインとなるRF。鍛造1ピースモデルとなっており、86とBRZにジャストフィットするサイズも設定する。繊細かつダイナミックな意匠を採用。優れた剛性と靭性を確保しつつ、シャープなデザインのスポークにより軽さを突き詰めた。
■BBSジャパン TEL03-6402-3957 https://bbs-japan.co.jp/
■取材協力:DTEC TEAM MASTER ONE
autosport 2022年8月29日発売号 No.1576から転載