レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2018.03.22 15:04
更新日: 2018.03.22 15:05

【特別インタビュー】ホンダF1田辺豊治TDに聞く就任までの経緯と現場力、トロロッソとの手応え

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 【特別インタビュー】ホンダF1田辺豊治TDに聞く就任までの経緯と現場力、トロロッソとの手応え

──今年の田辺テクニカルディレクターご自身にとっての夢は?

「夢として言ってしまうと何ですが、やっぱり勝ちたいですよね。当然やっていくうえでは使命でもあり、我々にとっては夢です。レースに出る以上は勝つということがついてくるわけですよね。そういう表現がいいかもしれない。僕らも勝ちにこだわっているから全クラス制覇したいし、レースをやる以上は勝つことが使命みたいなものです。F1に限らないことですが、F1が一番苦戦しています」

──少し失礼な質問にはなりますが、去年の中盤以降はマクラーレン側のホンダに対する発言は、報道でも取り沙汰されました。それをご覧になってどう感じましたか?

「正直に言えばいい気持ちはしませんでしたが、ある意味では仕方がないというところもあります。マクラーレンというチームがどのレベルであるは分かりませんが、やはり結果に結びついてこないと、ある程度の規模で従業員も抱えているので生きるか死ぬかの話になる。スポンサーがいなくなったりとか、彼らの言っていることは筋がその通りなんです。けれども矛先をひとつに向けて話をする必要はないんじゃないかと思います」

──2015年から2017年までホンダのパワーユニットを見ていくと、どういったところが弱点だったと思いますか? 信頼性やパフォーマンスなどは年によって変わると思いますが、どう分析しますか?

「とにかく出力と信頼性が足りないということしかないですよね。みなさんがご覧になったことと、ある意味同じです。私もアメリカにいたのであまり逐次見ていませんし、(HRD)さくら研究所にもいなかったので……。一般の視線と同じレベルで見いてるかもしれませんね」

──実際、中に入ってみて、見えてきた悩みなどはありますか?

「なぜ今のF1に挑戦をし始めたのかというと、高い技術があるからです。それがF1ともなると、とてつもなく高いところにあるということを、外から見ていたときよりも中に入ったほうがより実感する。だから挑戦する意味がある。けれどもこれから4年目に向けては、小さいステップかもしれなくても着実に、高い技術のレベルへと上げていく。今までの3年間で蓄えたノウハウや技術を活かして、そのレベルへと登っていく必要があります。それでもまだまだ高いです」

──今のF1の熱回生に関して、田辺テクニカルデイレクターはこれまでに経験がありますか?

「まったくありません」

──技術的に非常に難しいことなのでしょうか?

「そうですね。当然ハードウエアとして難しい部分があるのと、あとは使い方です。ハードウエアだけがあっても上手に使えなければ意味がありませんから、そこで何が起きているのかを理解しながら使っていくということが難しいところだと思います」

──もちろんパフォーマンスと信頼性が両立できていればベストではありますし、データ収集のためには信頼性が不可欠です。けれども規則の問題もあり、そこからパフォーマンスを上げていくこともまた困難です。どのようにしてバランスを取っていくのでしょうか。

「まずは信頼性でベースラインをきちんと抑えるというところから、我々が知っているなかでの攻めにいったときのパフォーマンス向上分と、またそのときの耐久性低下分。そのあたりを見極めながら、どこで使ったほうが得か、どう使うのが得かということを見極めていきます。シーズンを進めていくなかで、ここだという時期なども考えて、もう少しパフォーマンスに振ろうということもあります。そういった使い方をしていければベストだと思います」


関連のニュース