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F1 ニュース

投稿日: 2018.06.25 16:29
更新日: 2018.07.24 16:33

スペイン人ライターのWEC便り:辛酸を舐めてきたトヨタがアロンソとともに世界の頂点に

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F1 | スペイン人ライターのWEC便り:辛酸を舐めてきたトヨタがアロンソとともに世界の頂点に

 ついにやった!ル・マン24時間への4回の挑戦のうち、3回で辛酸を舐めてきたトヨタは、世界でも最も名高い耐久レースの勝者となったのだ。2014年、TS040は最高のマシンだったものの、不運と信頼性の不足のせいで勝利は叶わなかった。

 2015年は、マシンが充分強力なパフォーマンスを出せなかった。2016年は勝利に手が届いていたのに最終的に悲痛な終わりを迎え、2017年には3台のマシンを参戦させるという、大きな試みに挑んだチームの希望は打ち砕かれた。時に勝利は二度と訪れないのではないかとも思われたが、2018年のトヨタはル・マンで優勝できることを証明しただけでなく、もし以前のライバルチームがいたとしたら彼らに勝っていたであろうことも証明した。

「我々のチームにフェルナンド・アロンソは必要ない」と昨年トヨタの関係者は私に話した。トヨタにはバランスのとれたチームがあり、2018年のル・マンに取り組む上で変化は必要ないということを確信していた。

 しかし、2度のF1世界チャンピオンであるアロンソを起用するチャンスが訪れ、彼が関心を示すと、彼を雇う理由を考えることが問題になった。結局のところ、トヨタがアロンソを“必要としていなかった”のはおそらく事実だろうが、彼を起用することで得た利点は、非常に速くて信頼性のあるドライバーを8号車に乗せる以上のものになった。F1のような別のハイブリッドテクノロジーシリーズに取り組むことは、チームにとって非常に有用な仕事の方法論をもたらした。

 確かに、この数年と違って、2018年はトヨタに強力なライバルはいなかった。レベリオン・レーシングはアウディでもポルシェでもない。しかし今シーズンのWECとル・マン24時間に向けた準備は素晴らしいものだった。

 今年のサルト・サーキットでのル・マン24時間は、“地味な”レースになると予想されていたものの、それでもそこには気づかされることが多くあった。何よりもまず、アロンソのパフォーマンスは見事だった。ルーキーとして、彼はおそらくトヨタの中で最高のドライバーだった。レースにおける彼の40周のベストラップは、平均ラップタイムで他の者を大きく引き離していたし、周回数を増やしても彼の優位性はそのままだろう。彼の夜間スティントはこの世のものとは思えなかった。彼は7号車が8号車に対して持っていた2分のアドバンテージを奪うことができたのだ。


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