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F1 ニュース

投稿日: 2018.09.18 12:36

マシンバランスの課題を克服し、万全の体制で勝利を掴んだメルセデス【今宮純のF1シンガポールGP決勝分析】

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F1 | マシンバランスの課題を克服し、万全の体制で勝利を掴んだメルセデス【今宮純のF1シンガポールGP決勝分析】

 2018年F1第15戦シンガポールGP決勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンが前戦に続き連勝。フェラーリのセバスチャン・ベッテルは3位となりチャンピオンシップ争いで苦しい立場となってしまった。F1ジャーナリストの今宮純氏がシンガポールGPを振り返り、その深層に迫る──。

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2018年F1第15戦シンガポールGP セバスチャン・ベッテルは3位

 2018年シーズンのF1は残りあと6戦、ハミルトンがベッテルを40点リード。

 これは2015年シーズンのハミルトン vs ニコ・ロズベルグの“41点差”に匹敵、ラスト3戦を前に三冠目を獲得している。シンガポールGPで今季7勝、この5戦に固めて4勝の強さ。

 メルセデスは地に足つけた周到なチーム力によってハミルトンを支え、一方フェラーリは浮足立ちベッテルを支えきれていない……。その違いが終盤になって露わになりつつある。

 タイヤ選択から両チームの『シンガポール戦法』は分かれた。メルセデスはハイパーソフトタイヤを6セット(最も少ない)、ウルトラソフトタイヤを4セット、ソフトタイヤは3セット。フェラーリは順に9セット(最も多い)、3セット、1セット(最も少ない)。

 フェラーリは明らかにソフトは切り捨て、その分ハイパーソフトに振った。いちばん柔らかいスペックを多く選択するのはイタリアGPと同じ、予選重視なのは明らか。

 メルセデスはいままでここでリヤタイヤのオーバーヒートに苦慮、一貫したマシンバランスを見いだすのに悩んできた。

 その課題を克服すべくソフトを多めに選択、ベースセッティングをしっかり練り上げる戦法をとった。ちなみにソフト3セットはここで勝機に挑むレッドブルと、タイヤに厳しいルノーもそう。

 金曜FP1から彼らはソフトだけを用いてふたりが28周、レース距離にほぼ等しいラップ数をカバー。

 夜間セッションではない夕方コンディションだが1分41秒台を確認。“2ランク”柔らかなハイパーソフトを想定すると1分39秒台に相当、トップのダニエル・リカルド(レッドブル)と同等、フェラーリを上回る。

 この時点で彼らは課題を克服するメソッドを構築、じっくりFP2と土曜FP3でショートラン研究に移行する。

 どちらのセッションもフェラーリ勢がトップ、ふんだんにハイパーソフトがある。だがこの2セッションでセクター2と3の最速タイムはメルセデス、直線主体のセクター1で常に最速だった彼らがフェラーリに譲り、コーナー主体セクターでまさった。


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