スーパーフォーミュラ、スーパーGTの国内二冠を獲得した山本尚貴が、F1最終戦アブダビGPを観戦するため緊急訪問。スーパーライセンス獲得のチャンスが巡ってきた山本がF1への熱い思いを語る。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
──昨年チームメイトの(ピエール・)ガスリーとは今回、会いましたか?
山本尚貴:まだ会っていないです。もちろん、彼と会ってあいさつもしたいですが、彼も最終戦でレースをしているので、集中力を切らすようなこともしたくない。しかも、今週末はうまく行っていないところもあって、タイミングがありませんでした。
──F1を生で見て、ここでやれるという自信は?
山本尚貴:やれるかやれないかは、やってみないとわからない。今ここで『自信がありません』と言ったら、それで話は終わってしまう。やれるかやれないかというより、そこに立つか、チャンスを掴みにいくのかどうかということのほうが大事だと思っています。
今回、ここにいるということはF1への思いがあるからです。もちろん、自分の思いだけでは乗れるステージではないことはわかっています。F1ドライバーになるには、速いだけではなく、体制をしっかりと整えていないと立てないステージだと思っています。
ですから、ホンダさんのバックアップがなければ、ここには立てなかったし、これからもサポートをお願いしたいと思っています。ただ、最終的にF1への扉をこじ開けるのは自分だと思っています。
■山本尚貴の家族はF1への挑戦を全面的に応援
──山本選手は結婚されており、生まれたばかりのお子さんもいます。家族はどのような反応ですか。
山本尚貴:全面的に応援すると言ってくれました。『夢を追いかけて頑張る自分を応援する』と。それに対しては、とても感謝しているし、だからこそ、その家族のためにも頑張りたい。
ここに来るまでは年齢の問題とか、家族の問題とかがあって、自分の夢を追いかけるだけでいいのかと自問自答していたときもありましたが、自分からチャンスを遠ざけることだけはしたくなかった。
そういった問題を乗り越えてでも挑戦する魅力がF1にあるのか、あるいはF1でやっていけるかどうかは、実際にここに来て、自分の目で見てみないとわからないと思って、来ました。
まだ1日半しか(インタビューはフリー走行3回目後)見ていないので、残りの1日半で自分に問いかけて答えを見つけたいと思っていますが、今のところは挑戦してみたいという気持ちです。