トップ3+1、シンガポールGP金曜FP2の1〜7位に昨年と同じ4チームがきた。
メルセデス、フェラーリ、レッドブル、そしてフォース・インディアが1.030秒内の接戦だ。これは今シーズン初めて。シンガポール夜空の下に火花が散った。
セクター1はニコ・ロズベルグ、セクター2はダニエル・リカルド、セクター3はキミ・ライコネン、最速タイムがきれいに分かれた。ピット前とミドル・ストレートはパワフルなメルセデス・ステージ、ここで稼ぐロズベルグ。ラッフルズ大通りを左折して7つの低中速コーナーが続くセクター2は「レッドブル・ステージ」、攻めまくるリカルドがひとりだけ40秒をカット。
“マーライオン像”を過ぎて右折するとマリーナ・ベイ沿いに直角コーナーが6つあるセクター3、ここを「フェラーリ・ステージ」にしたのはライコネン。フロントに切れ味、リヤに粘り味、流麗走法が久々に(失礼)決まっていた。その理由は気温28度、路面32度コンディションで、リヤタイヤのオーバーヒート症状をうまく抑えていたから(みんな、この最終セクションで訴えていたが)。
大抵、3セクターを独り占めするメルセデスに対し、初日まだ滑りやすいダーティ路面においてレッドブルとフェラーリがそれぞれ強みを見せて阻んだ。「三車三様」のマシン・キャラがシンガポールのコース特性とともにはっきり感じ取れた。
さて昨年の大敗から1年、メルセデスは緊張感をもってここに臨み、ロズベルグが1分44秒152まで短縮。しかし1位をあっさり奪ったというより守り切った印象が強い。あの“敗因”をたどればピレリの内圧問題がどうしても絡む。高い指定値→接地面減少→摩擦熱上昇→表面オーバーヒート→リヤ挙動不審……コーナーが多いセクター2から3で彼らは失速していった。