F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。マクラーレン・ホンダの母国レースとなる日本で五つ星を獲得したドライバーは?
☆ エステバン・オコン
「いちおしだよ、オコン」、フランスの知人ベテランジャーナリストは即座に答えた。アイルトン・セナをカート時代から見てきた彼の評価だ。初鈴鹿で予選、決勝、自己ベストラップすべてチームメイトに先行。S字ラインをつかみとり、西コースをプッシュ、周回遅れにされるときの動きもロスがない。これは新人時代のフェルナンド・アロンソ(ミナルディ)やダニエル・リカルド(HRT)並み。この潜在能力が花開くか、今後のマネージメント交渉しだい。
☆ ジョリオン・パーマー
先週、ようやく初入賞でき自信が備わったのだろう。FP3でケビン・マグヌッセンと同タイム8位には驚かされた。鈴鹿二日目からマシンのピッチング傾向が消え、メカニカル・グリップが向上、チームの努力だ。父親に似て遅咲き(?)の彼、来季につなげられるか、残り4戦にかかっている。
☆☆ セルジオ・ペレス
17年残留がマレーシアGP翌日に正式決定、鈴鹿ではすっきりした表情に。余談だが木曜夜、松崎エンジニアが自転車で“ある装置”を背にコースを逆走、路面解析調査しているのを目撃。そこまで徹底する努力がタイヤ・マネージメントと戦略に活かされる。7位 ペレス、8位 ニコ・ヒュルケンベルグ、9度目ダブル入賞によってウイリアムズを10点リード。
☆☆ ルイス・ハミルトン
心ここにあらず、木曜FIA会見での行動はプロ意識に欠けていた。英国メディアの批判を逆批判、火に油を注いだ。王者は今年も鈴鹿セットアップに迷い、PPを奪えずスタートも失敗。終盤に演じたマックス・フェルスタッペンとの初対決バトルが唯一の見せ場に。