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投稿日: 2021.03.26 07:00
更新日: 2021.03.25 22:45

【ブログ】授業や就職活動はオンライン。当たり前の大学生活に戻ることを願う/木村のF1英国留学日記

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Blog | 【ブログ】授業や就職活動はオンライン。当たり前の大学生活に戻ることを願う/木村のF1英国留学日記

 将来F1のエンジニアとして働くことを目標にイギリス・ラフバラ大学に留学している現役大学生の木村さん。昨年からスタートしたこのブログですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、およそ1年ぶりの更新となってしまいました。第3回目となる今回は、およそ1年ぶりということで現在の木村さんやラフバラ大学の学生たちの現状、そしてイギリス国内の就職事情や気になるテレワークなどについてもお届けいたします。

ブログ第1回目はこちら
ブログ第2回目はこちら
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 読者のみなさま、お久しぶりです。F1のエンジニアになることを志し、イギリスのラフバラ大学に留学中の木村です。新型コロナウイルスの流行などもあり、前回のブログ記事から約1年ほど経過してしまいました…。だいぶ期間が空いてしまいましたが、今月からまた気持ちを新たに数回に渡って色々な情報をお届けできたらと思っていますので、是非前回アップさせていただいたふたつの記事とあわせて読んで頂けると嬉しいです。

 思えば、ちょうど1年前に初めてブログ記事を書かせて頂いたときは、まさに英国で初めてのロックダウンが始まった時期でした。それから1年経った現在も英国では1月の頭から始まった3度目のロックダウン中で、基本的には必要最低限の外出しかできない状況にあります。実は、大学の新学期が始まる9月ごろは英国国内の状況は少し落ち着いていて、ソーシャルデイスタンスを取りながらの対面授業なども少しずつ再開されていました。

 今まで制限されていた分、やはり大学に行って直接授業を受けられる有り難さや楽しさを改めて感じていたのも束の間、国内、そして大学内でも感染者が急増してしまい、去年の11月の末ごろからは完全オンラインに逆戻りしてしまいました。それでも、少しずつ状況は好転してきていて、来月には少しずつ国内のロックダウンも緩和されていくようです。

 最近は僕を含め周りには良くも悪くも『ロックダウン慣れ』のような感覚に陥っている学生も多く、前回、前々回の制限時に比べてネガティブな考えになることは減っている印象があります。またワクチンなどの普及の情報もあるので、今までよりは少しですが希望があるのかなという雰囲気になりつつあります。今回はこのような状況の現地からロックダウン中の学生生活や、就職活動そして街の様子をお届けさせていただきます。

■現在の大学生活

 さて、前回のブログ記事から1年が経過したということで、学年も変わり僕自身も今年から大学院生となりました。とはいえ、英国の修士課程というのは学士課程の延長線という印象が色濃く、1年で修了することができます(これには賛否両論ありますが笑)。前回のブログでも触れましたが、英国の大学では学士課程を3年で修了できるので、最短で修士号を4年で取得できるというとても効率的な仕組みになっています。

 僕も学生最終年ということで、卒業研究が8割、授業などが2割くらいの比重で学生生活を送っていますが、航空自動車工学部というなかなか日本にはない学部に在籍しているので、興味深い卒業研究を行っている友人が多くいます。特に、業界のトレンドでもある自動運転やADAS(先進運転支援システム)の分野が人気で、そのような分野を専門とする教授も年々増えてきています。

 また、次世代パワートレインシステムの研究(電気自動車のモーター制御など)も大学が力を入れて取り組んでいる分野なので多くの学生が携わっています。そんななかユニークな研究もあり、僕の友人のひとりは自動車工学科に在籍していながらヘリコプターの制御システムの研究をしていました。

 近い将来、クルマが空を飛び出すことを見据えた研究なのか、すごいなと思って聞いてみると、「ただただヘリコプターがかっこいいから」という理由で始めたことを知り少し拍子抜けしてしまいましたが、よくよく考えたら僕も根本は「ただただモータースポーツが好きだから」という理由で勉強をしていたので、似た者同士だなと笑いあったのを覚えています(ちなみに彼は現在ヘリコプターの研究開発を行う企業で働いています、凄い!)。

 ちなみに、そんな僕はというとモータースポーツ向けのタイヤモデルの研究をしています。トレンドの先進技術に比べると少しクラシカルな分野かもしれませんが、タイヤという構造物の奥の深さに完全に魅了されてしまい、始めて2年近く経った今でも楽しく研究を続けられています。

 読者のみなさまもご存知のとおり、モータースポーツにおいてのタイヤの重要性は物凄く高く、僕はハースF1チームでのインターン中に改めて気付かされました。特に僕が働かせて頂いていた2019年シーズンの前半は、タイヤの使い方に苦労する場面も多く、なにか僕にもできることがないかなと思っていたときに、チームのエンジニアの方々からの助言がきっかけでこのプロジェクトをスタートしました。

 これは僕の研究に限ったことではありませんが、やはり自動車業界全体としてCAE(コンピュータ支援による設計・製造)の発達が目まぐるしいので、ほとんどの学生の研究は数理モデルやシミュレーションを活用したものになっています。もちろん、実機でのデータ取りなどが必要になる場面もありますが、そこまで多くはないので、コロナ禍で実験施設になかなかアクセスできないなかでも順調に研究が進んでいる学生がほとんどです。

いまだに出入りが規制されているラフバラ大学の施設
いまだに出入りが規制されているラフバラ大学の施設

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