更新日: 2023.10.26 18:16
初年度王者、クプラ陣営W2 Pro GPが2ヒートを制覇。新人テストも実施/TCRサウスアメリカ第9戦
カレンダーどおり10月21~22日にブラジルのヴェロチッタで開催されたTCRサウスアメリカ・シリーズ第9戦は、初年度王者でもある地元ブラジル拠点のW2 Pro GP陣営が躍動。レース1ではラファエル・レイスがポール・トゥ・ウインを飾り、レース2も僚友ガリッド・オスマンが制するなど、それぞれクプラ・レオン・コンペティションTCRが両ヒートを制覇した。
そのレースウイーク後には、来季への可能性を考慮して数名のブラジル人ドライバーにマシンをテストする機会を与えるべく、PMOモータースポーツがヴェロチッタに残留。女性ドライバーのタリーン・チコスキーやシングルシーター経験者のフェリペ・ジュンケイラがプジョーとリンク&コーを試している。
第5戦はウルグアイのエル・ピナール、第6戦はアルゼンチンのサンルイスにて新生TCRワールドツアーの連戦を迎え入れたTCRサウスアメリカだが、この第9戦は地元ブラジル・シリーズとの併催で実施された。
豪雨に見舞われた前戦ではTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ謹製のトヨタ・カローラGRS TCRがスピードを披露し、ベルナルド・ラヴァー(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)とファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)が、それぞれフルウエットの難しい条件を制したが、天候に恵まれたドライの今週末はスペイン製の車両に主役が入れ替わることに。
ここから予選Q1とQ2の双方で最速を刻んだレイスのクプラは、明けた日曜現地9時10分からのレース1でも他を寄せ付けぬ展開で“ライト・トゥ・フラッグ”を達成。ファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)を従えての今季2勝目を飾った。
「この場所でこの結果を得て、貴重なポイントを獲得できたことにとても満足している」と、第3戦耐久フォーマット以来の勝利となったレイス。「レース中盤にセーフティカー(SC)が入ったから楽な状況にはならなかったが、最終的にはなんとかできたね」
続いて午後13時前に始まったレース2では、選手権首位の18歳イグナシオ・モンテネグロ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がリバースグリッドから出遅れると、技術的問題により2周目にコース上でストップし、またもSCが出動する事態に。
レースは5周目に再開されると、後方からジリジリとポジションを上げてきたオスマンが、残り9分でリバースポールシッターのギリェルメ・ライシェル(PMOレーシング/プジョー308 TCR)との差を詰め、13周目でリードを奪うことに成功。ここでタイヤが力尽きたプジョーはピットへ向かうこととなる。