更新日: 2024.03.28 13:41
【2024年フォーミュラEをイチから学ぶ/後編】最高峰電動レースに挑む11チームと東京E-Prix注目ドライバー
3月29~30日に東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺で開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権第5戦『東京E-Prix』。日本初の本格公道レースであり、完全電気自動車フォーミュラマシンを使用するフォーミュラEにとって、初めて日本で開催されるレースということで非常に大きな注目を集めている。
ここでは、待ちに待った日本での初レースを控え『2024年フォーミュラEをイチから学ぶ』としてフォーミュラEのレギュレーションや使用マシン、参戦メーカー、ドライバーなどを整理して3回の“特別版”としてお届け。東京E-Prixで初めてフォーミュラEを観戦するファンの助けになれば幸いだ。3本目となる今回は、2023/2024年“シーズン10”を争うチームとドライバーを紹介する。
■体制を変えながら戦い続けてきた11チームの歴史
シリーズ開始から10シーズン目を迎えたフォーミュラEは、現在は11チームがタイトルをかけて争っている。どのチームも“新興”とは呼べないほどの参戦歴を積み上げてきている。
それはなぜかと言うと、今から10年前となる2014/2015年の北京E-Prixで開幕したフォーミュラEのシーズン1には10チームが参戦していたが、そのうちの8チームはそれぞれ体制などの変更がありつつも、現在までフォーミュラEを戦い続けているのだ。
■2023/2024年シーズン10フォーミュラE参戦チームとその前身
参戦チーム | 使用パワートレイン | 参戦開始シーズン | 前身 | ドライバーズタイトル回数(前身含む) | チームタイトル回数(前身含む) |
---|---|---|---|---|---|
ニッサン・フォーミュラEチーム | ニッサン | シーズン1 | ルノーe.ダムス | 1 | 3 |
ABTクプラフォーミュラEチーム | マヒンドラ | シーズン1 | アウディスポーツ | 1 | 1 |
ERTフォーミュラEチーム | ERT | シーズン1 | NIO | 1 | 0 |
アンドレッティ・フォーミュラE | ポルシェ | シーズン1 | 当初よりアンドレッティ | 1 | 0 |
エンビジョン・レーシング | ジャガー | シーズン1 | ヴァージン・レーシング | 0 | 1 |
マヒンドラ・レーシング | マヒンドラ | シーズン1 | 当初よりマヒンドラ | 0 | 0 |
マセラティMSGレーシング | ステランティス | シーズン1 | ベンチュリ・レーシング | 0 | 0 |
DSペンスキー | ステランティス | シーズン1 | ドラゴン・レーシング | 0 | 0 |
ジャガーTCSレーシング | ジャガー | シーズン3 | 当初よりジャガー | 0 | 0 |
ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム | ニッサン | シーズン5 | メルセデス | 2 | 2 |
タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム | ポルシェ | シーズン6 | 当初よりポルシェ | 0 | 0 |
■前身はタイトル獲得の古豪
これまでフォーミュラEでもっとも多くのチームタイトルを獲得してきたのは、シリーズ開始当初に3連覇を成し遂げたルノーe.ダムス。
ドライバーズタイトルも一度獲得しているルノーは、2世代目マシンのGEN2が導入されたころに、パワートレイン・マニュファクチャラーとして参入を開始した日産自動車とタッグを組んだ。そして、GEN3マシンが導入されたシーズン9からはチームの国籍が日本へ変更され、現在のニッサン・フォーミュラEチームへと繋がっている。現在のチームランキングは6位だ。
次に、二度のチームタイトルを獲得しているのは、DSテチーターとメルセデスEQフォーミュラEチーム。DSテチーターはシーズン8を最後に参戦を終了しており、メルセデスはマクラーレンがその後を体制を継いだ。そのマクラーレンは今季シーズン10ではニッサンパワートレインを搭載しており、ランキング4位につけている。
チームタイトルを一度獲得しているのは、エンビジョンとABT(アプト)の2チームだ。ABTは1年の休止期間があるが、どちらもシーズン1から参戦を続けている。そのABTはアウディスポーツとともに戦っていたGEN1最終年のシーズン4にタイトルを獲得している一方、エンビジョンのタイトル獲得は昨季シーズン9という違いがある。現在のランキングはABTが11位、エンビジョンが7位だ。
今季2023/2024年シーズン10は東京E-Prix前にジャガーがランキングトップにつけ、ポルシェとDSペンスキーが続いている。このランキングトップ3チームは、これまで前身チーム時代を含めてもタイトル獲得経験のない3チームかつ、それぞれが異なるパワートレインを使用しているため、パワートレイン・マニュファクチャラー同士の争いにも直結している。