7月8~9日にドイツ・オッシャースレーベンで行われたTCRインターナショナル・シリーズ第7戦は、ウェストコースト・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをドライブする元F1ドライバー、ジャンニ・モルビデリが長きに渡る不遇の時期を乗り越え復権。2016年4月のエルトリル戦以来となる勝利を、劇的な2連勝で飾った。
ADAC主催のTCRドイツとの併催となったオッシャースレーベンの週末で、予選から速さを見せたモルビデリは、2017年にホンダ・シビックからフォルクスワーゲン・ゴルフにスイッチしたチームへ初のポールポジションをもたらすと、その勢いのままレース1へ。
スタートでは14カ月ぶりのフロントロウから見事なダッシュを見せホールショットを決めると、後方ではジャン-カール・ベルネイ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)とアッティラ・タッシ(ホンダ・シビック・タイプR)が1コーナーでスピン。
クラフト-バンブー・ルクオイルのニューフェイス、ダン・ロイド(セアト・レオンTCR)と、3番手にジャンプアップしてきたロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)のイギリス人ドライバーが、ベテラン・イタリア人を追う展開となった。
しかし4周目には、首位モルビデリの逃げに水を差すセーフティカーが導入。オープニングラップの1コーナーでスピンを喫していた2台が後方でレース復帰を果たしていたものの、その後も2台のバトルは続いており、ベルネイがタッシのシビックをグラベルへとはじき出してしまう。
8周目にリスタートが切られると、ベルネイはドライブスルーペナルティのためピットレーンへ。その後は中団勢が次々とパンクに見舞われるなか、ルカ・エングストラー(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)やドゥサン・ボルコビッチ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)らがラジエター破損で戦列を去り、トップグループは盤石の逃げを披露。
そのまま19周のレースを制したモルビデリが1年2カ月ぶりの勝利。2位にはBTCCからTCR移籍後初の表彰台となったロイド、3位にWTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーでもあるハフが入った。
続くレース2も、スタート前から波乱を予感させるアクションが多発。このレースからWTCCのゼングー・モータースポーツを離れ、TCRインターへの本格参戦を果たした元F1ドライバー、オリビエ・パニスの息子であるオーレリアンのホンダ・シビック・タイプRが、エンジントラブルでスタートできない事態に。