12月15日にサウジアラビアで開幕戦を迎えるフォーミュラE。シーズン5となる2018-2019シーズンにe.ダムスとタッグを組んでニッサンがフォーミュラEに参戦することになったが、ニスモフェスティバルが開催された富士スピードウェイでチーム、そしてニッサンの首脳陣に体制面などについて聞いた。
シーズン4までルノーとタッグを組んでフォーミュラEに参戦していたe.ダムス。シーズン5からはルノーのフォーミュラE撤退を受ける形でルノーに代わってニッサンとe.ダムスの組み合わせが発表され、そこにニスモの名前も刻まれることになった。
気になるのは、e.ダムス、そしてニッサン、ニスモのそれぞれの関係性と役割だ。ニスモフェスタでのフォーミュラE初走行に合わせて富士スピードウェイを訪れメディアの会見に参加したニッサン・グローバルマーケティングのルードゥ・ブリース常務役員は、「3社ではありません」と、今回のプロジェクトを説明する。
「実は3社だけではなく、4社になります。ルノーF1も加わることになるからです。e.ダムスはもちろん、レーシングチームなので現場でのレース運営を担当します。そしてルノーF1(ルノースポール)から、これまでF1の現場で培ってきた技術をフォーミュラEに引き継ぎます。ニッサンはEV技術のノウハウがあります。そしてニスモにはレースでのたくさんの経験とソフトウェア面での開発、運営実績があります」とルードゥ・ブリース常務役員。
同じくメディア会見に参加したニスモの片桐隆夫社長が、ルードゥ・ブリース常務役員の言葉を受けて続ける。
「ニッサンにはテクニカルセンターでの開発技術がありますが、どの技術、ノウハウがレースに向いているのか。チームもニッサンも正確に分からない部分があります。そこでニスモが案内役のような形を務めることになります」と片桐社長。
「さらには、これはひとつの例ですがニスモには日本のスーパーGTで培ってきたタイヤマネジメントのノウハウも豊富にあります。そういったレースのノウハウをチームに伝え、フォーミュラEのレースで役立てるような役割になります」とニスモの役割について説明した。
実際、ニスモからはエンジニアリング面でのスタッフがフォーミュラE担当として派遣されているとのことで、パワーユニットや車体開発面といったハード面での関わりではなく、ソフトウェア面での開発協力という形になるのだという。