2012年のWTCC世界ツーリングカー選手権王者で、現在はWTCR世界ツーリングカー・カップを中心に世界中のカテゴリーに参戦するロブ・ハフが、現役ドライバー業に加えて新たな役割に挑戦。香港を拠点とするTeamwork Motorsport(チームワーク・モータースポート)とジョイントし、自らの名を冠したチームワーク・ハフ・モータースポートを設立し、2019年のTCR UKシリーズに参戦することを発表した。
イギリスを拠点とする新たなジョイント・ベンチャーを立ち上げた“ツーリングカー・スペシャリスト”のハフは、自身が主戦場とするWTCRで所属するセバスチャン・ローブ・レーシング(SLR)と同様、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRの2台体制で母国選手権でもあるTCR UKにチャレンジすることを決断した。
創立2年目のTCR国内選手権に挑むリードドライバーには、TCRチャイナでも優勝経験を持つサニー・ウォンを起用。2人目のドライバーはまだ交渉中とされており、ハフ自身はWTCRとのカレンダーバッティングがないラウンドに関して、ドライビングコーチやメンター的役割でパドックに顔をみせる計画だという。
「チームワークのメンバーとはここ数年にわたって一緒に仕事をしてきたが、今はそこに僕の名前を加えてチームワーク・ハフ・モータースポートとして活動することになった。彼らとともに新しいことに挑戦できるのは素晴らしいことだね」と、チームマネジメントの分野にも乗り出すことを決めたハフ。
「僕は中国で彼らと多くの時間を過ごしてきた。今シーズンもTCRマレーシアですでにレースを戦い、その成長を導いてきたつもりだ。そんな彼らとともに、イギリスでのレースに挑戦するのはこれまでと異なったレベルの戦いになるだろう。しかし僕が育ったいくつかのサーキットで戦うことで、彼らもまた大きな進化を実現するに違いない」
ハフは近年、WTCRでの活動に加えて、TCRチャイナやマレーシア、そしてCTCCチャイナ・ツーリングカー・チャンピオンシップにも積極的に関与するなど、アジア圏のツーリングカー・シーンを牽引し、その技術水準を引き上げてきた。
「UKシリーズのトップドライバーたちに対し、自分の名前を冠したチームで挑めるのは本当に楽しみだ。素晴らしい経験になるだろうし、この新たな挑戦にワクワクしているよ」
そしてチームのリーディングドライバーに任命されたウォンは、前人未到マカオ・ギアレース8勝の“マイスター”でもある師、ハフに薫陶を受け2018年のマカオ・ツーリングカー・カップ・レースで優勝を飾っている。