2020年は創設2年目のシーズンを送る予定だったTCRオーストラリアの2021年暫定カレンダーが発表され、1月末のシモンズプレインを皮切りに全7戦の開催を予定。そしてこちらは初のTCRシリーズ上陸となる隣国ニュージーランドは、その初年度に4戦を組み込んだ最初のカレンダーをアナウンスした。
初期の新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を抑え込み、優秀な防疫対策が功を奏したオーストラリア大陸は、北半球とは異なり冬本番を迎えたシーズン前半にふたたび次の波に見舞われ、一転して州境を封鎖するなど厳格な移動制限措置が採られた。
これにより、年間を通じて幾度ものタイミングで開幕が検討された2年目のTCRオーストラリア・シリーズは、ついにレースを戦うことなく12月を迎える事態となった。
そんな苦境を経た2021年は、1月24~26日のシモンズプレイン・レースウェイを舞台に幕を開け、2月中旬にはフィリップアイランドでオーストラリア・スーパーバイク選手権とシャノン・モータースポーツ・オーストラリア選手権と並び『オーストラリア・オールホイール・レースフェス』として開催される。
そしてRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの“開幕戦”になる予定のバサースト、マウントパノラマで第3戦が争われ、5月と6月にシドニー・モータースポーツパーク、モーガンパークを訪問。サマーブレイクを経て9月にサンダウン、そして『バサースト1000』併催戦と、後半はRSCのサポートイベントに組み込まれて全7戦の日程を終える計画だ。
シリーズオーガナイザーであるARG(オーストラリアン・レーシング・グループ)のCEOを務めるマット・ブレイドは、試練の年を乗り越えたファンやエントラントに感謝を述べるとともに、2021年の再開と再会を「楽しみにしている」と語った。
「ARGはこの困難で挑戦的な2020年の課題を乗り越え、2021年のレース計画とスケジュールを前進させることを心から光栄に思う」とブレイド。
「同時に、世界がどれほど急速に変化するかを考慮して、2021年の日程と会場には多くの緊急時対応計画を組み込んでいる。これにより、不確実な時代にも柔軟で機敏な対応を採ることが可能となった」
「我々のシリーズに参戦するTCRマシンとドライバーたちは、ほぼ1年もの間ずっと“駐車中”だったにもかかわらず、この素晴らしい国際ツーリングカーの舞台に戻り、そのドライビングとバトルを披露したいという願望は誰にも負けない。彼らがサーキットに戻ったとき、間違いなく素晴らしいショーを生み出すだろうね」