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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.11.19 16:28
更新日: 2021.11.19 17:29

2022年NASCAR導入のNext-Gen車両がテスト。移籍のカート・ブッシュも「カッコいいオモチャ」

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海外レース他 | 2022年NASCAR導入のNext-Gen車両がテスト。移籍のカート・ブッシュも「カッコいいオモチャ」

 先月に続き、2022年にNASCAR最高峰のカップ・シリーズ導入が予定される新規定車両“Next-Gen”モデルのテストが、引き続きアメリカ・ノースカロライナ州のシャーロット・モーター・スピードウェイで11月17~18日の2日間にわたって実施された。

 オーバルではフォード、シボレー、そしてトヨタの各陣営が精力的に走行を重ねるなか、シリーズのレーシング・イノベーション担当シニア・バイス・プレジデントであるジョン・プロブストは「いくつか発生した新車にありがちな初期のマイナートラブルにも対処できた」としつつ、新規定車両に関して「ドライブが簡単になるマシンを我々は望んでいない」と強調した。

 また、過去3シーズンを名門チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)の1号車シボレーで戦ったカート・ブッシュも、移籍先の23XIレーシングに合流。新型Next-Gen車両の45号車トヨタ・カムリのステアリングを握ってテストプログラムを消化し、従来より大きな調整幅を持つNext-Gen車両に対し「あらゆる要素で遊べる、新しくて、楽しくて、カッコいいオモチャ」だと語り、チームとの初仕事を満喫した。

 先月にもシャーロットのロードコースでテストを重ねた2022年型モデル群だが、その2日間のテスト中には各チームから「ステアリングラックに問題が発生した」との報告が寄せられていた。

 そこでシリーズ技術部門は各エンジニアからのヒアリングをもとに、振動の原因と解決策を見つけるため、サプライヤーに対しスポーツカー(GT3やその他カテゴリーなど)でのリソースを活用するよう要請。これにより、パワステオイルがリザーバータンクに戻るライン上に小さなパーツを追加し、オーバルでの機能確認で問題が解決し「ストレスが軽減された」ことが報告された。

「幸いにして、今回はステアリングの問題に関する報告はなかったよ」と安堵の表情を見せた前出のプロブスト。「走行に際しては『硬すぎる』だの『柔らかすぎる』だのバランスの面でいくつか声が聞こえてきたが、それは各チームがトーションバーを調整すれば済む範疇の話だ。オーバルトラックでもかつて我々が慣れ親しんだものとはまるで違うクルマにはなっているが、ロードコースで出た問題は修正されていることを確認できたよ」

 一方、もうひとつの重要な課題は、このNext-Genモデルがトラックを走り出してから議論が継続されている“コクピット内の熱問題”で、現在はNASCARでもさまざまな再設計に取り組み、空気の流れを改善することを目指している。

 その最大の問題は「排気が吸い戻される」ことで、エンジンの熱が直接ドライバーに向かうのを避けるべく、ウインドウネット脇には工業用プラスチックソリッドシート“Lexan(レキサン)”を使用した小型のピースを追加してウインドウから空気の流れを逸らすとともに、アンダートレイ部分にも変更を加え、一部の車両ではショート・エキゾースト仕様もトライしている。

 さらにリヤウインドウにもアウトレットを兼ねたスロットを追加したが、ただしこの対策にはNASCAR側が意図しない効果がもたらされることが、木曜のテスト中にも判明した。

「もちろん、このスロットはマシンにより多くのドラッグをもたらす。そこでさらに短いリヤスポイラーを製作した。急遽の対応で問題が発生する可能性があることは理解していたが、初日と2日目で変化の大きさを評価したかったんだ。現在、そのデータを解析しているところだ」と続けたプロブスト。

トランスアクスル化や18インチホイール、リヤディフューザーなど、新規軸満載の”Gen7″こと2022年モデル
今回は、2日間のうち8インチから7インチに縮小されたリヤスポイラーも急遽テストされた
クラッシュで潰れたフロントを確認し「クルマはうまく機能しているように感じた」とジョン・プロブスト

■クラッシュシーンが増加する可能性


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