2022年レギュラーシーズンも終盤戦を迎えたNASCARカップシリーズ第24戦『フェデレーテッド・オートパーツ400』が、8月13~14日にバージニア州リッチモンド・レースウェイで開催され、前週のミシガンで実に65戦ぶりの勝利を飾ったケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が、勢いそのままの2週連続優勝を達成。自身0.75 マイルのショートトラックでの4勝目、キャリア通算60勝目に到達し、現役ドライバーではカイル・ブッシュ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)に並ぶ最多勝とし、歴代9位の勝利数となっている。
毎週末のようにストーブリーグの更新が続くパドックは、レギュラーシーズン残り3戦を迎えた段階で、23XIレーシングが新たな複数年契約をアナウンス。前戦ミシガンでカップ戦キャリア初ポールを獲得していたダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)との契約を更改すると発表した。
「この契約更新が完了し、来季以降も23XIレーシングがホームであることを知り、とても気分が良いね」と、レースウイーク金曜に安堵の表情を浮かべたウォレス。「僕を信じ続けてくれた(チーム共同所有者の)M.J.(マイケル・ジョーダン)とデニー(・ハムリン)に感謝したい。わずか2年足らずだが、僕らは長い道のりを歩んで来た。その過程で、チームの初勝利や最初のポールを含む、いくつかの主要な目標を達成し、皆で共有できたんだ!」
こうして始まったリッチモンドの週末は、最初のセッションでロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が主導権を握ると、予選では最後のアタックに向かったディフェンディングチャンピオンのカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、平均117マイルの壁を突破。チャスティンをトップの座から引き摺り下ろし、日曜に向けたポールウイナーの称号を手にした。
「ターン1では激しく攻め過ぎて、少し横向きのアングルが付き過ぎたけど、それこそが自分のタイムを切り詰めた場所だと想像しているよ」とアタックを振り返ったラーソン。「本当にディープに入り込んで、コントロールを失う寸前でコーナー出口に向けハンドリングとトラクションを取り戻した。実際どうかはわからないけど、そこでコントロールを取り戻したことがおそらくラップタイムを埋めた。うまくいったね」
迎えた日曜決勝は、序盤こそチャスティンが80周をリードしてステージ1の勝利を奪ったものの、強い日差しが照りつけるリッチモンドの主役を演じたのは17番手発進だったジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)で、この日最多の222周をリードし、王者ラーソンを従えてステージ2も制覇して見せる。
しかし最終ステージに入ったロガーノは夕暮れに向かうとともに序盤戦の勢いを失い、334周目にはハーヴィックにもパスされ、最終的に6位フィニッシュとなった。
「そうだ、ちょうど太陽が沈んでコースが冷えたときに、マシンはターンでの速さを失ったと思う。ケビン(・ハーヴィック)と他の何人かは、レース最後の数周のランではるかに良くなった。暑くて滑りやすいときは、おそらくそれが僕らの強みだったんだろう」とレース後に振り返ったロガーノ。
一方、その22号車シェル・ペンズオイル・フォードを仕留めたハーヴィックは、約10周後の353周目にデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)も捉えて首位浮上に成功。序盤で2度ほど首位に立ち55周のリードラップを記録していた男が、好調の4号車モービル1・フォードでそのまま連勝劇を演じる結果となった。