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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.07.08 22:07
更新日: 2023.07.09 20:07

メルセデス育成のベスティが今季4勝目。岩佐歩夢をトラブルが襲う【FIA F2第9戦レース1】

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海外レース他 | メルセデス育成のベスティが今季4勝目。岩佐歩夢をトラブルが襲う【FIA F2第9戦レース1】

 7月8日、2023年FIA F2第9戦シルバーストンのスプリントレース(決勝レース1)が、イギリスのシルバーストン・サーキットで開催され、フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)が今季4勝目を飾った。レッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)はメカニカルトラブルに見舞われ21位となった。

 第9戦決勝レース1のグリッドは、7日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、ランキングトップのベスティがポールシッターとなった。

 2番グリッドにアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)、3番グリッドにランキング2位のテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)、4番グリッドにエンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン/レッドブル育成)が続いた。

 予選で7番手タイムを記録したゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)は、予選でプルシェールとジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)を妨害したとして、2つの3グリッド降格、計6グリッド降格のペナルティが課せられ10番手スタートへと変わった。これにより岩佐のスタートポジションは1つ繰り上がり、7番手スタートとなった。

 土曜日のシルバーストンは降雨に見舞われた。FIA F2の決勝レース1開始時点で雨は上がるも路面はウエットコンディションに。全車がウエットタイヤを装着するなか、気温19度、路面温度22度、タイヤ交換義務のない19周の決勝レース1は、現地時間13時15分(日本時間21時15分)よりセーフティカー(SC)先導による3周のフォーメーションラップをへて、ローリングスタートを迎えた。

 水飛沫も高く舞い上がる中、ローリングスタートということもありベスティを先頭に上位勢の順位は変わらず。そんななか、7番手スタートの岩佐のマシンがスロー走行に。岩佐は後続にどんどんとかわされるなか、その岩佐の眼前でブラッド・ベナビデス(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)とクレモン・ノバラック(トライデント)が接触。スピンを喫したベナビデスは濡れた芝生を滑りウォールにクラッシュし、セーフティカー(SC)が導入される。

2023年FIA F2第9戦シルバーストン
2023年FIA F2第9戦シルバーストン

 このSC中に岩佐はスロー走行でピットに戻る。ダムスのスタッフ陣はフロントウイングを外し、フロントブレーキ周りの修復を試みるが、岩佐は「信じられない」と無線で心境を吐露する。

 レースは4周目に再開を迎えた。リスタートの蹴り出しが抜群だったのは5番手スタートのイギリス人オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)だった。ターン3でプルシェールを攻略するとべスティ、ハジャルに続く3番手に浮上した。

 そんなベアマンは4周目のターン15でハジャルを軽々とオーバーテイク。これでベスティ、ベアマンのプレマ勢がワンツーとなる。このままベスティを攻略しベアマンがトップ浮上かと思われたが、ベスティは5周目にこの時点でのファステストを更新し、ベアマンを2秒近く引き離す。

 6周目、ベアマンがターン17で単独スピンを喫し、7周目のホームストレートでハジャルが2番手に浮上する。スタートからスパートをかけていたベアマンは、その後は一気にペースダウン。8周目にプルシェールにもかわされ4番手に後退すると、ここからは守りの走りとなる。

 ハジャルとプルシェールの2番手争いが白熱するなか、10周目時点でベスティは6秒のリードを築きクルージング。その後も、後続を毎周1秒ほど引き離す。そんななか11周目の最終ターン18でハジャルをかわし2番手に浮上。これでドライバーズランキング1位と2位がレースを先導する形となるが、ベスティとプルシェールの間には8.3秒ものギャップが広がっていた。

 前方がクリアとなったプルシェールは自己ベストを更新しつつ、ベスティとの間合いを縮めにかかる。しかし、ベスティもプルシェールとほぼ同じペースで周回を重ね、プルシェールの接近を許さない。

 そんななか、15周目のターン9でベアマンがハジャルを攻略し3番手に浮上。そこからハジャルを先頭に5台が数珠繋ぎとなるが、16周目のターン8でドゥーハンが5番手に浮上する。トップ2台の間合いは7秒から縮まらないなか、3番手争い、5番手争いが白熱。

 17周目、ドゥーハンがターン6〜7でベアマンとサイド・バイ・サイドとなるが、地元戦を迎えたベアマンがポジションを死守。ただ、2台の戦いはターン16まで続くと、サイド・バイ・サイドの中、ベアマンがコースオフ。これでドゥーハンが3番手に浮上。そしてその間隙をついたエンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン)が4番手、ハジャルが5番手に浮上。

 一方、2番手プルシェールにミスがあったか、ベスティとのギャップは14.5秒まで広がる中、レースはファイナルラップを迎えた。そのままランキングトップのベスティがトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインで今季4勝目を飾った。

 2位にプルシェール、3位にドゥーハンが続いた。岩佐はトラブルを解消後コースに復帰し、1周遅れで周回を重ね21位でチェッカーを受けた。なお、トップ10圏外となるため、ポイント獲得とはならないが、岩佐は17周目に1分59秒913というこのレースの全体ファステストをマークしている(トップ10内のファステストはプルシェールが19周目に記録した2分00秒009となり、ファステストの1ポイントはプルシェールが獲得している)。

 これでランキングトップのベスティの獲得ポイントは135点、ランキング2位プルシェールの獲得ポイントは114点となった。岩佐はこのレースでノーポイントとなるも、ランキング3位をキープしている。
 
 続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は7月9日の現地時間9時55分(日本時間17時55分)から、タイヤ交換義務を有する周回数29周で争われ、岩佐は3番手からスタートを迎える。

2023年FIA F2第9戦シルバーストン フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)
2023年FIA F2第9戦シルバーストン フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)
2023年FIA F2第9戦シルバーストン テオ・プルシェール(ARTグランプリ)
2023年FIA F2第9戦シルバーストン テオ・プルシェール(ARTグランプリ)
2023年FIA F2第9戦シルバーストン レース1表彰台
2023年FIA F2第9戦シルバーストン レース1表彰台
2023年FIA F2第9戦シルバーストン 岩佐歩夢(ダムス)
2023年FIA F2第9戦シルバーストン 岩佐歩夢(ダムス)

■2023年FIA F2第9戦シルバーストン
レース1正式結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 7 F.ベスティ プレマ・レーシング 40’16.405
2 5 T.プルシェール ARTグランプリ 13.432
3 14 J.ドゥーハン インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 19.422
4 4 E.フィッティパルディ ロダン・カーリン 25.610
5 10 I.ハジャル ハイテック・パルスエイト 30.517
6 8 O.ベアマン プレマ・レーシング 30.863
7 6 V.マルタンス ARTグランプリ 31.345
8 12 A.ルクレール ダムス 31.633
9 16 R.ニッサニー PHMレーシング・バイ・チャロウズ 32.452
10 3 Z.マロニー ロダン・カーリン 38.554
11 2 J.ダルバラ MPモータースポーツ 39.880
12 1 D.ハウガー MPモータースポーツ 40.251
13 24 K.マイニ カンポス・レーシング 44.116
14 9 J.クロフォード ハイテック・パルスエイト 44.706
15 15 A.コルデール インビクタ・ビルトゥジ・レーシング 45.269
16 20 R.スタネ トライデント 48.241
17 21 C.ノバラック トライデント 51.066
18 22 R.フェルシュフォー ファン・アメルスフォールト・レーシング 52.808
19 23 J.コレア ファン・アメルスフォールト・レーシング 1’07.916
20 25 R.ボシュング カンポス・レーシング 1’14.160
21 11 岩佐歩夢 ダムス 1Lap
17 B.ベナビデス PHMレーシング・バイ・チャロウズ DNF

・全体ファステストラップ
#11 岩佐歩夢 1分59秒913(17/19) 176.858km/h
・トップ10圏内ファステストラップ
#5 テオ・プルシェール:2分00秒009 (19/19) 176.716km/h

・ペナルティ
#21 クレモン・ノバラック:5秒のタイムペナルティ(接触)
#15 アムーリ・コルデール:5秒のタイムペナルティ(コースアウトによるアドバンテージ)


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