「ニコにとってザウバー移籍は前進ではない」

　元F1ドライバーで現在Sky Sports F1で解説者を務めているジョニー・ハーバートが、ニコ・ヒュルケンベルグにとってザウバーへの移籍は前進とはいえないと語った。

　今週水曜、ザウバーは2013年ドライバーとして、将来が期待される若手ドライバーのヒュルケンベルグを起用することを正式に発表した。

　ザウバーは今季ここまでで4回の表彰台フィニッシュを成し遂げており、現在コンストラクターズ選手権5位をメルセデスと争っている。しかしハーバートは、フォース・インディアからザウバーへの移籍は前進とはいえないと語った。フォース・インディアは夏休み明けから競争力を向上させてきており、ザウバーとは23ポイント差のランキング7位につけている。ザウバーはこの2戦ノーポイントに終わっているのに対し、フォース・インディアは6戦連続で入賞を成し遂げている。

　ヒュルケンベルグのザウバー移籍についてハーバートは「横に踏み出しただけだと思う」とアブダビでSky Sports Newsに対して語った。
「真の前進だとは思わない。彼ら（フォース・インディアとザウバー）はコンストラクターズ選手権で似たような位置を争っているし、レースウイークエンドにおいても似たようなポジションを争っている。だから大きな前進ではない」
「ザウバーでは、セルジオ・ペレスが3回、小林（可夢偉）が日本で1回、非常にいいパフォーマンスを見せている。だがそのぐらいだ。夏休み明けから安定したパフォーマンスを発揮しているのはフォース・インディアだ。彼らは常にいい位置にいる。ニコは安定してポイントを稼いでいる」

　ヒュルケンベルグがザウバーに移籍したのは、彼の将来の起用を検討しているフェラーリの意向があるとの報道もなされているが、ハーバートはその話に疑いを抱いている。
「フェラーリに近づいたという説がある。ザウバーはフェラーリエンジンを使っているから、彼が将来フェラーリに行くという話だ」
「僕自身はそれが事実だとは信じていない」