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F1ニュース

投稿日: 2015.03.20 00:00
更新日: 2018.02.17 06:45

【今宮純】オーストラリアGPドライバー採点&短評


 今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。今シーズン開幕戦となったオーストラリアGPの週末を通して、20人のドライバーのなかから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)

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☆ フェリペ・マッサ
 気温と路面温度が10度下がった予選Q3、光るマッサの一撃3位。体調を崩したボッタスを上回るアタックは見事だったが、温度条件が上がるとつらいウイリアムズの傾向はいかんともしがたく決勝は4位。1台出走古豪チームのエースはフェラーリにやられ、存在をアピールする好機を逸した。

☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
 「今は“おこぼれちょうだい"ですね。まだまったくウチは遅いのでうまくやりきって、1点でも2点でも獲ってヨーロッパラウンドからです」。そのチーム方針に則った正しいレースメイキング、彼なら任せられる。

☆☆ キミ・ライコネン
 スタートでベッテルより前に出るも、1コーナー進入でサイド・バイ・サイドになると彼は“譲った"。同士討ちを避けたこの見切りはある意味チームプレー。が、後退したために2回ストップ作戦を遂行、そのピット作業で“ダメージ"を負ってしまった。ベッテルの引き立て役となった開幕戦に意外にさばさばしていたキミ。小さな事実だがベストラップは3位でベッテル4位。作戦違いとは言え、たしかな感触を得たのは間違いない。

☆☆ カルロス・サインツJr.
 15年F1は“PUトルク・オーバーステア"にチームとドライバーがどう対応するか。それが新しい見どころだ。新人サインツはよく理解している。必要充分なスリップアングルを保ちながら攻める彼は3歳下の相棒より頭脳派。このふたりのこれからの成長進化を見比べていきたい(まだどちらとも言えません)。

☆☆☆ ニコ・ロズベルグ
 金曜はニコニコ、計測2周目のFP1トップタイムには驚かされた。これで「初戦はもらった」と思ったのかもしれない(それが甘い)。相手はコース条件変化に合わせセットアップ研究を重ね、土曜から反撃に。勝負はスタート、だがあっという間にやられた(あのダッシュの差は今まで見たことがない)。1.360秒差どころか、この2位は“大差"をつけられた完敗に等しい。

☆☆☆ ダニエル・リカルド
 まさか今年最初に目撃した“生スピン"が彼とは(!)。レッドブル首脳陣がボロクソに酷評するルノー、コースサイドにいると印象はちょっと違う。パワー&トルクがメルセデスより不足していることよりも低回転ゾーンでのレスポンスがまったくおかしい(クビアトもそう)。「ドライバビリティ」問題がある回転域だけで起きるのは不可解、2月テスト時点からルノー側も懸命に対策してきたが開幕戦では解決できていなかった。

☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
 いきなりの“刺激"を17歳の少年にもらった。セクター3のラインがみんなと全然違い、昔のJ・ビルヌーブのデビュー当時みたいだった。でも、土曜からはオーソドックスにチェンジ、ミーティングで指摘され修正に励んでいた。初日の走りのままだとタイヤ負担が大きく(常に悲鳴と臭いを発散)、そこからはチームメイトに遅れた。でも初心忘れることなかれ。父ヨスのデビュー戦よりはるかに見ごたえあったマックス(!)。