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スーパーGTニュース

投稿日: 2009.11.09 00:00
更新日: 2018.02.15 16:23

【ARTA Project】SUPER GTシリーズ第9戦もてぎ ARTA NSX、最終戦で今季2勝目を達成! ARTA Garaiyaは無念の接触、王座獲得ならず


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2009年11月8日

ARTA Project プレスリリース
SUPER GT シリーズ第9戦もてぎ
決勝

ARTA NSX、最終戦で今季2勝目を達成!
ARTA Garaiyaは無念の接触、王座獲得ならず

■GT500
 決勝日のツインリンクもてぎも、路面コンディションはドライで推移。朝8時45分からは30分間のフリー走行セッションが行われ、ARTA NSX(ラルフ・ファーマン&伊沢拓也)は1分47秒175のタイムでクラス2番手となった。

 午後2時過ぎに53周の決勝レースがスタート。ポールポジション発進のファーマンは、オープニングラップで#36 SC430に先行を許し、2番手に下がる。しかしファーマンは#36のテールを捕らえて、離されず、しっかりこれについていった。マシン、タイヤともに状態が良かったため、チームは予定の周回よりも4〜5周先までピットストップを遅らせる戦略を採って、逆転を狙うことに。

 その狙いどおり、#36がピットストップした後のファーマンのスパートが効いた。32周終了時にピットインし、伊沢に代わってコース復帰した時点ではARTA NSXが実質首位に立つ。その後はセーフティカー導入などのハプニングもあったが、伊沢がしっかりとトップを守り続け、ARTA NSXは見事、第7戦富士以来の今季2勝目を達成した。

 タイトル獲得のための必須条件である優勝は果たしたが、ドライバー&チームの両タイトルは#36(今回2位)のもとへ。惜しくもタイトル獲得こそならなかったが、ARTA NSXはドライバー&チーム両部門でシリーズ2位という素晴らしい結果を残し、2009年シーズンの戦いを終えることとなった。

●鈴木亜久里監督のコメント
「タイトルに関しては、年間を通した流れのなかで我々にもライバルにも、お互いにいろいろあったうえでのことなので、仕方がないですね。いい時もわるい時もあったけど、結果的には9戦中5回表彰台に乗れたわけだし、最後までこうしていい戦いができて、NSX最後のレースを勝てて、いいシーズンだったと思います」

●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ARTA NSXのためのようなフィナーレでしたね。まるでドラマのように(笑)。最高のレースでした」

●佐藤真治エンジニアのコメント
「タイヤのグリップダウンがほとんどないくらい、マシンはいい状態でした。完勝と言ってもいいと思います。セーフティカーが出た時も心配はしていませんでした。伊沢も強くなりましたからね。タイトルについては仕方ないです。いいシーズンだったと思います」

●ラルフ・ファーマン選手のコメント
「スタート直後の1〜2コーナーでは少しミスをしてしまった。そこで#36に抜かれてしまい、ちょっとガッカリはしたが、我々のマシンの状態は完璧だし、ロングランを意識して選択したタイヤもうまく機能していたので、抜き返そうと焦る必要はなかった。ピットストップのタイミングを引き延ばしてスパートし、勝つことができたよ。(その意味では)完勝だったと思う。チームの素晴らしい仕事に感謝したい。終盤3レースのマシンのパフォーマンスは、本当に素晴らしかった。NSXという偉大な歴史のあるマシンが今季で最後となるのは寂しいね。来季は新しいマシンでデータがゼロの状況からのエキサイティングなチャレンジになるが、チャンピオンを獲得できるよう頑張りたい」

●伊沢拓也選手のコメント
「NSX最後のレースということで、今までにないくらいのプレッシャーを感じていました。でも、チームが素晴らしいマシンを用意してくれましたし、ラルフが(ピットストップのタイミングを予定より先まで)引っ張って(リードを築いて)くれたので、僕はもうピットアウトした直後のラップをしっかり頑張ればいいだけでした。今回はホンダのホームコースであり、NSXラストランということもあって、ファンのみなさんの応援、これまでNSXに関わってきた人たちの力、いろいろなものに後押しされて、僕たちの力以上のパフォーマンスが発揮できたように感じています。NSX最後のレースで優勝者として名前を刻めたことは、生涯忘れられないと思います」

■GT300
 朝のフリー走行、タイトル獲得を目指すARTA Garaiya(新田守男&高木真一)は1分57秒251がベストタイムで、順位的にはクラス6番手。他のタイトル候補も大半がトップ10圏内につけており、ベストタイムの比較だけで各陣営の戦闘力を推測することはできないものの、前日の金曽監督と両ドライバーの言葉を裏付けるように、今日の決勝レースが厳しい接戦となることを予感させた。

 決勝レースのスタートは新田が担当。1周目は2位のポジションを守ったが、2周目に#7 RX-7に先行され、ARTA Garaiyaは3位に後退。その後、#81 フェラーリF430、#7のトップ2台には離されたものの、新田は3位のポジションを守って20周終了時にピットイン。

 あとを受けた高木は、シリーズチャンピオン争いのライバルでもある#19 IS350、#2 紫電、#11 フェラーリF430らと接近戦を演じることとなった。チャンピオンの座をかけた息詰まる攻防が続くなか、27周目の1〜2コーナーで高木と#11が交錯、接触するアクシデントが発生。コース外に弾かれたGaraiyaは、すぐにコース復帰することができず、上位の争いから脱落。最終的に14位で完走したものの、ドライバー&チームいずれのタイトルも逸する、無念の結果となってしまった(両タイトルは#19が獲得)。

 ARTA Garaiyaの最終的な2009年シリーズランキングは、ドライバー部門が5位、チーム部門が4位となっている。

●金曽裕人監督のコメント
「なんともいえない気持ちです。アクシデントは仕方ないことですが、ああいうかたちでタイトル争いに幕を引かれてしまったことについて(接触の相手にペナルティが出なかったことに対して)、個人的には審判が甘かったのではないか、しっかりやってほしいな、とも思いましたからね。チームもドライバーも、パーフェクトな仕事をしました。『攻める』という意味では納得しています。ただ、厳しい言い方をするならば、タイトルを獲得できなかったということは我々が『まだまだ』だということなのでしょう。応援してくれたファンのみなさんには、申し訳ないのひとことですね。また来シーズン、チャンピオンを目指して頑張ります」

●新田守男選手のコメント
「(性能調整の影響などで苦しみながらも)よくここまでチャンピオンを争ってきたな、と思います。ファンのみなさんに、いつもいっぱいの声援を頂きながら、なかなか期待に添う結果(チャンピオン獲得)とはなりませんが、あきらめずに来年も頑張りたいと思います」

●高木真一選手のコメント
「最終戦はこういう結果になってしまいましたが、ここまでのレースでチームのみんなといっしょに頑張ってきた結果として、最後までチャンピオン争いをすることができて良かったと思います。GT300の盛り上げ役は充分に果たせたのかな、とも感じていますしね。来シーズンも必ずチャンピオン争いをして、このシリーズを盛り上げていきたいと思います」