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クルマニュース

投稿日: 2016.01.14 00:00
更新日: 2018.02.17 12:29

アウディ新社長会見、サーキット走行機会を強化へ


 アウディのプレミアムSUV、Q7が10年ぶりにフルモデルチェンジ。1月14日に都内でその姿がお披露目され、同時にアウディ・ジャパンの新社長、斎藤徹氏の就任会見も行われた。

 アウディQ7はご存じの方も多いと思うが、最大7人乗りの高級SUVとして2006年にデビューし、現在のSUVブームの下地を作った世界的な人気車種。アウディの中でも初めて「Q」の車両名が付けられ、その後のQ5、Q3へとラインアップを広げる先駆けとなった。

 この日発表されたQ7は10年ぶりのフルモデルチェンジを経た2代目となり、初代と比較すると重量やパフォーマンス、自動ブレーキなどの安全性にスマートフォンと連動したナビゲーションディスプレイなどなど、あらゆる面で進化を遂げている。

 特に注目すべきは、やはり高パフォーマンスな走行性能。敢えてざっくり言うならば、先代の3.0ℓモデルのパフォーマンスを2代目の2.0ℓモデルで実現し、2代目の3.0ℓは先代よりも最大トルクは10%、燃費は37%も改善しているというから、この10年の進化がいかに大きいかが伺い知れる。

 もちろん、それを実現しているのはパワートレインだけではなく、車両側の進化にもよる。2代目Q7は先代に比べ、なんと300kgの軽量化を果たしているのだという。ボディ全体でアルミニウムを41%使用し、先代から71kg軽量化。サスペンションリンクにもアルミニウムを加え、フロント車軸のシャフトは中空タイプにし、ピボットベアリングも鍛造アルミニウム製にするなど、徹底的に軽量化し、足回りなどのシャシー部で約100kg、さらに新開発のトランスミッション、8速ティプトロニックだけで20kg軽減し、このクラスでは驚異的とも言える約2トンという車重を実現している。2トンの車重は、ちょっと昔の高級セダンと替わらない数字だ。

 足回りでは新機構のオールホイールステアリングを採用し、リヤタイヤを最大5度の角度で電動で動かすことで、クルマの取り回し性能を向上させ、最小回転半径は先代の6mから、5.2mと、格段の進化を遂げている。SUVでありながら、軽くてパワーがあって取り回しがよければ、運動性能でほかに言うべきことはないだろう。

 このQ7の発表と同時に斎藤新社長の就任会見も行われ、斎藤社長は同じグループ企業であるフォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガス不正問題にも触れ、「国内ではディーゼル車の製品販売は国内では販売しておらず、お客様に直接的なご不便をお掛けすることがなかったのは幸いでした。しかし、このことで多くのお客様にご心配、ご不安をお掛けしましたことは大変残念に思っています。一部のお客様から強いお叱りの言葉を頂きました。その一方、多くの励ましを頂きまして、大変勇気付けられました」とコメントを残した。

 また、斎藤新社長は「ルマン24時間の勝利はみなさまに強い印象を残していると思います」と、モータースポーツの話題にも触れ、国内サーキットを走行する機会をこれまで以上に作ることに言及。「今年はアウディのフラッグシップであるR8のフルモデルチェンジがあり、これに合わせてスポーツモデルであるRSのラインアップも強化し、アウディのブランド価値であるスポーティさを訴求していきます。アウディスポーツの専用サイトを立ち上げる他、プロダクトの体験の場として、アウディ本社のドライビングレッスン『アウディ・ドライビングエクスペリエンス』において、サーキットで本格的なレーシング走行を実施していきます」と述べた。

 Q7というラグジュアリーなSUVの会見にも関わらず、その根底に根付いているモータースポーツへの積極的な取り組み。「モータースポーツは進化の原動力」と謳うアウディが、社長会見にもあるように、国内モータースポーツへも一層、積極的になることが明らかとなった。


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