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F1ニュース

投稿日: 2012.08.28 00:00
更新日: 2018.02.16 10:58

スパはシーズン中で最も厳しいサーキットのひとつ


タイヤから見たベルギーグランプリ
ピレリのミディアムとハード、スパの“ジェットコースター”へ

グランプリ概要:
1ヶ月の夏休みを終え、ピレリはP Zeroシルバー・ハード、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤとともにグランプリへ復帰します。この組み合わせは、今シーズン2戦目のマレーシアグランプリ以来となります。

伝説的なスパ・フランコルシャン・サーキットのコンディションは、他にはない特徴があります。全長7.004kmのシーズン中で最も長いラップは、高い雨のリスクとともに、非常に変わりやすい天候状態の一因となっています。アルデンヌの丘陵地帯に位置するスパは、自身の気候環境を持つため、サーキットの一部が雨の場合でも、ドライの部分が存在する状態がしばしば発生します。

スパは、高速コーナーを有するハイスピードサーキットとして有名です。タイヤにとっても厳しく、究極のジェットコースターさながらのオー・ルージュのようなセクションによって、タイヤは非常に大きな横方向と縦方向の荷重に対応しなければなりません。44周のレース中、タイヤにはハードワークが課せられるため、ピレリのタイヤレンジから最も硬い2つのコンパウンドが選択されています。

スパは、ラップが長く変化に富んだレースになるため、効果的な戦略の幅が広いと言えます。しかし、戦略は、変わりやすい天候状態に常に柔軟に対応する必要があります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターポール・ヘンベリーのコメント:
「スパは、個人的には好きなサーキットです。最近では、24時間耐久レース時にここを訪れました。トラックの構成と多様な天候状態は、いつも何かしら素晴らしいレースを生み出すように思います。タイヤの観点では、ハイスピードと多面的にタイヤに作用する大きな荷重によって、スパはシーズン中で最も厳しいサーキットのひとつと言えます。ハードとミディアムの組み合わせは、スパで求められる、スタートからフィニッシュまでドライバーがハードにプッシュすることを可能にします。今シーズン前半は、Formula One史上で最も接戦となったので、後半戦の展開と夏休み明けにどのチームが抜け出すのか、とても楽しみです。各チーム、特に中段グループは大接戦となっているので、予想は極めて困難です」

テクニカルノート:
・スパでは、ラップ中の約75%をフルスロットルで走行するため、次回のグランプリ開催地であるモンツァとともに、シーズン中で最もハイスピードサーキットのひとつとなっている。高速走行は、タイヤの温度を上昇させる。特に、グリップを最大限にするためにアグレッシブなキャンバーセットアップを行っている場合は、一層顕著となる。

・スパでのすべてのセクションには、適正なライドハイトとサスペンショントラベルが不可欠となる。さもなければ、マシンは、サーキットのどこかでコースアウトしてしまう可能性がある。タイヤは、マシンのサスペンションの重要な要素を構成し、荷重によるラバーの変形は、Formula Oneマシンの全サスペンショントラベルのほぼ半分に当る。

・スパでは、ストレートスピードが高速であることも有名であるが、多くの高速コーナー通過時のグリップ最適化のため、マシンはミディアム・ダウンフォースのセットアップで走行する。タイヤからのメカニカル・グリップがクリーンなコーナー脱出の鍵となる、ラ・スルスヘアピンのようなコーナーでは、トラクションが特に不可欠な要素となる。

・有名なオー・ルージュセクションでは、両フロントタイヤは、ピーク時1000kgを超える縦方向の荷重が課せられる。


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