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F1ニュース

投稿日: 2009.09.23 00:00
更新日: 2018.02.15 15:26

モズレー「ルノーへの罰は我々ができる最も厳しいものだった」


 FIA会長のマックス・モズレーは、2008年F1シンガポールGPに関してのルノーへの裁定について、「我々が与えうる最も厳しい裁定であった」と語っている。

 昨年のシンガポールGPでルノーのマネージングディレクターを務めていたフラビオ・ブリアトーレと、エグゼクティブ・ディレクター・オブ・エンジニアリングを務めていたパット・シモンズはネルソン・ピケJrに対してレースの直前、故意のクラッシュを指示。その結果、チームメイトのフェルナンド・アロンソが勝利を飾っている。

 この一件に対してFIA国際自動車連盟は、ルノーF1に対して2年間の執行猶予付きで永久資格剥奪処分を課した。すなわち、今後24ヶ月の間に今回同様の悪質な事件が起きた場合、FIAは無条件で処分を発動することができる。

 しかし、有識者の間では、今回の一件に関する処分は罰金に換算すると、2007年にスパイ事件でマクラーレンが受けた1億ドル(約91億円)に値すると主張している。今回ルノーは罰金を一切受けていない。有識者はモズレーとマクラーレンの元チーム代表、ロン・デニスの間の確執が背後にあったのがその理由ではないかと示唆している。また、F1から相次いで自動車メーカーが撤退しており、FIAとしてはこれに続くメーカーが現れるのを避けるため、今回の裁定に至ったのではないかとしている。

 この指摘に対してモズレーは、BBCに対して「今回の決定が正しいものだと思っている」と語っている。

「裁定は落ち着くべきところに落ち着いたと思う。今回の裁定は我々が下すことができる、“資格剥奪”という最も厳しいものだ。すべてのこのスポーツにおけるチームの財産を一切排除してしまう。しかし、ルノー社はもちろん、ルノーF1チームも起こった事件に対して道義的な責任がない事を証明した。この状況で、彼らに即座に罰を押しつけることは間違っているだろう。だから彼らに対して、即刻罰を科すことをしなかったのだ」

「同様に、今のF1界には次から次へとスキャンダルが起きている。しかし、F1界はその問題を処理し、ハードワークを続けている。これは素晴らしいことだ」

 モズレーは、モータースポーツ界から無期限の間追放される形となったブリアトーレに関して「彼はモータースポーツの世界に20年以上も携わっていた男だ。このような形でキャリアが終わってしまうのはとても悲しいことだ。しかし、我々に他に何ができたのだろうか?」と感慨を込めて語っている。