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スーパーフォーミュラニュース

投稿日: 2012.09.23 00:00
更新日: 2018.02.16 11:33

琢磨FN初参戦記#3「いい週末を送れたと思う」


 9月22日〜23日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたフォーミュラ・ニッポン第6戦の決勝レースを戦った佐藤琢磨。TEAM無限から雨中の決勝レースに臨んだ琢磨が、初めてのFニッポン決勝を振り返った。

 琢磨は雨模様となった朝のフリー走行で、春の鈴鹿、そして金曜走行以来となるウエットでの走行を体験。「僕たちのクルマはドライの状態からバランスに苦しんでいて、雨になったときはポジティブに考えていたんですが、今朝のウォームアップでもまったくグリップしませんでした。他のマシンにあんなに離されるなんてショックでしたよ(笑)」と琢磨は苦笑いを浮かべた。

 ただ荒天の中ながら多くのファンが訪れ、決勝日の雰囲気を満喫していた琢磨。迎えた決勝は強い雨が降る中、14番グリッドからスタート。セーフティカー中に8〜9番グリッドの山本尚貴(TEAM無限)と小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が接触し、ポジションを上げていく。国本雄資(Projectμ/cerumo-INGING)と中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)の接触の後は11番手へ。さらにアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)がピットに向かうと、トップ10に進出したが、琢磨はFニッポンFN09ならではの苦労に襲われていた。

「尚貴選手ともども、決勝レースに向けて大きくマシンのセッティングを変えて臨み、かなり“ガマン”のクルマという状態でしたが、何しろレースは前が見えなかった。危ない、危ない(笑)」という琢磨は、ウエット時のFN09が抱えるウォータースクリーンの多さに戸惑った様子。

「スタート直後で前にクルマが多い時は1コーナーと馬の背のブレーキングで、ちゃんと視界を確保してブレーキできるまでに時間がかかりましたね」

 とは言え粘り強く走行を続けた琢磨は、終盤のセーフティカー前にはポイント圏内となる8番手まで進出。しかし、リスタート後琢磨は金石年弘(HP REAL RACING)にかわされ、さらに前方で発生したロッテラーのスピンを避け、ポジションを落としてしまった。

「最後のリスタートはスピンしているクルマがあったので、イエローだと思っていたんですが、ストレートに来たらグリーンになってスタートしていたので、あれは危なかったですね。(ジョアオ-パオロ・デ)オリベイラにうまく合わせていたら抜けたでしょうけどね。これはレースだから仕方がない。それでもレースを走り切って、いいデータも取れたと思うので良かったと思います」と語る琢磨は、最後までしっかりと走りきり、9位でチームに貴重なデータを持ち帰った。

「今日はもっと“レース”になると思ってたので、それができなかったのは心残りですね。こんなコンディションでしたけど、クルマが良い方向に仕上がったのは収穫だし、レースのペースもそこそこだったので、それは良かった」と琢磨。

「無限として2台体制の中で、チームもいい週末を送れたと思うし、僕もレースは楽しかった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思います。ファンのみなさんは雨の中で可哀想でしたけど、盛り上がったレースだったと思います」

 次戦はF1時代、多くのファンを沸かせた鈴鹿だ。テストも一度こなしているだけに、期待もかかる。「次の鈴鹿は、今日の良いところからさらに次のステップにいって、もっと前のほうでレースできたら良いと思います」と琢磨も期待を語る。最終戦、鈴鹿での勇姿を楽しみにしたいところだ。


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