レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2015.09.06 00:00
更新日: 2018.02.17 10:09

F速分析:躍進のフェラーリ、スタートに照準


 前戦スパに続くハイスピードバトルの予選。結果は、またもメルセデスのルイス・ハミルトンが制し、再び連続ポールポジション記録を更新。しかし、地元ティフォシの大声援を受けるフェラーリがメルセデスとの差を大幅に縮め、今季初めて2台揃ってトップ3に食い込む活躍をみせました。

 メルセデスAMGは今回のイタリアGPに、年間で使用できる全てのトークンを使って改良した、新スペックのパワーユニットを投入。初日のフリー走行からフェラーリ以下にコンマ7秒以上もの大きなギャップを築くと、FP2のロングランでもレースでは1秒前後かあるいはそれ以上、ライバルよりも圧倒的に速いペースを示していました。

 しかし、ハミルトンがポールポジションを獲得する一方で、フェラーリとのタイム差がかなり縮まったばかりか、チームメイトのニコ・ロズベルグにおいては新しいパワーユニットに不具合の兆候が見つかり、予選を前に中古のエンジンに交換する事態に発展しました。ロズベルグが使うこのエンジンは、すでに5回のレースウイークエンドで使われたもので、エンジンパワーが最も影響を及ぼす高速レイアウトのモンツァでは、ロズベルグの足かせとなってしまったことは本人も認めています。
 また、初日はコンマ7秒以上あったハミルトンとフェラーリ勢のギャップは、予選でコンマ2秒台まで縮まりました。ハミルトンは、予選のアタックラップについて「いい出来だったけど完璧ではなかった」と語っていますが、3番手につけたセバスチャン・ベッテルも「レズモの1つ目で少しミスをした」とコメント。それぞれ失った分を見積もってもフェラーリのタイムの伸びしろが大きかったことが伺えます。

 特に、フリー走行ではトップ3から若干後れを取っていたキミ・ライコネンがチームメイトも上回って2番手につけました。これには、2台が前後に並び後ろのマシンのトップスピードを引き上げるというモンツァ特有のスリップストリームを使った作戦をフェラーリがとったことも大きかったでしょう。最後のアタックでは後続のライコネンが先行するベッテルとの間隔を広げすぎた感もありましたが、最初のアタックではチームメイトのスリップストリームも十分に活かしたライコネンがファーストアタックから好タイムを記録。また、これと同じ作戦はウイリアムズでもとられ、チームメイトの後ろを走ったフェリペ・マッサが、ひとつ上の5番グリッドを獲得しています。