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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2015.12.30 00:00
更新日: 2018.02.17 12:18

WEC15シーズン総括2:速さで圧倒したポルシェ


 2015年のFIA世界耐久選手権(WEC)、そのシーズンを通じて圧倒的な速さを見せたのは、ポルシェ919ハイブリッドだった。8戦中6勝という圧倒的な成績であった。

 ポルシェは2014年シーズンからWECへの参戦を開始。そして、復帰後初めて勝利は、同年の最終戦サンパウロである。ただ、参戦初年度にもかかわらず、シーズン序盤からポールポジションを獲得。その回数はそれまでに4回を数えており、いきなり速さを見せつけていた。初勝利が最終戦になったのは、トラブルなどによる取りこぼしがあったためである。

 迎えた2015年。ポルシェは919ハイブリッドという前年と同じ呼称のマシンを用意した。しかし、内実は大きく異なると言えるほど、手が加えられたアップデートバージョンである。

 開幕戦シルバーストンと第2戦スパ・フランコルシャンこそ、7号車アウディe-トロン・クアトロに勝利を奪われるものの、いずれもポルシェがポールポジション。そして第3戦に組まれたル・マン24時間レースで、伏兵とも言えるスポット参戦の19号車(ニック・タンディ/アール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ組)が勝利を飾ると、その後のレースはポルシェが連戦連勝。圧倒的な強さでシーズンを制圧したのだ。

 とはいえ、弱点がなかったわけではない。例えば富士6時間レースでは、ウエットコンディションのレーススタートで後手を踏み、アウディ勢とトヨタ勢の後方に下がってしまうというシーンがあった。しかも、路面が濡れた状況では満足いくパフォーマンスを発揮することができず、ドライ路面なら1周につき1秒以上遅いはずのトヨタTS040ハイブリッドを抜きあぐねる始末。トヨタのドライバーの“意地”という部分も相当以上にあったはずだが、一度抜いても抜き返されてしまうなど、その抵抗に苦しんだ。また、ウエットコンディション下では、アウディにも引き離されてしまった。ただし、路面が乾けば無双状態。あっと言う間に前方のマシンを抜いて置き去りに。レースを通じてドライコンディションであれば、ペナルティを受けても、トラブルが発生したとしても、17号車か18号車のいずれががトップでチェッカーを受けた。