レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.07.06 07:05
更新日: 2023.07.06 02:15

ダチア、セバスチャン・ローブを擁し2025年のダカールラリー参戦へ。車両開発はプロドライブが担当

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ラリー/WRC | ダチア、セバスチャン・ローブを擁し2025年のダカールラリー参戦へ。車両開発はプロドライブが担当

 ルーマニアの自動車メーカーであるダチアは7月3日、2025年からW2RC世界ラリーレイド選手権に参戦し、同年のダカールラリーにT1+カテゴリーのマニュファクチャラーとして出場すると発表した。

 改造ラリークロスマシンの開発にはイギリスのプロドライブが参加。ドライバーには元WRC世界ラリー選手権“9連覇王者”のセバスチャン・ローブとスペインの女性ラリードライバー、クリスティーナ・グティエレスが起用された。また、ダカールラリーに参戦するマシンには、アラムコが供給する合成テスト燃料が使用されることになっている。

 耐久性と堅牢性が試される究極の場であるダカールラリーをはじめとしたW2RCに、1年半後の2025年から参戦することを発表したダチア。ダカールラリーは40年以上にわたって、毎年60以上もの国と地域から500人を超える参加者が集まる過酷な戦いだ。

 そんなダカールは、ダチアのDNAの中核にある“合理性”と“感動”のバランスを見事に表しているという。ラリーレイドが持つたくましさや、合成燃料を使用することでのエコ・スマートな取り組み、余分なものが入り込む余地がなく、野心的にゴールを目指す一面などが、ダチアのブランドテリトリーに沿っているものだと判断されたのだ。

2025年からのダカールラリー参戦を発表したダチア。使用される合成燃料はアラムコが供給する
2025年からのダカールラリー参戦を発表したダチア。使用される合成燃料はアラムコが供給する

 ルノー傘下の同ブランドにとって、ダカールラリーは実験場であり、新たなアイデアの実験室となることも期待されている。“世界一過酷”とも称される砂漠のレースは困難な環境での走破性だけでなく、新たなエネルギーの選択肢をテストする場にもなると考えられている。

「これはダチアの真の堅牢性をテストするだけでなく、低炭素モビリティへのコミットメントを示すものだ。合成燃料技術とともにダカールに参加できることを嬉しく思う」とダチアのデニス・ル・ボットCEOは語った。

 前述のとおり、ダチアがT1+マシンで使用する合成テスト燃料はアラムコが供給するもので、これは再生可能な水素と回収された二酸化炭素を組み合わせて製造され、現代のエンジンにも適合し炭素の排出量を抑えることができるものとなっている。

■ラリーの“名門”コンストラクター、プロドライブとタッグ

 マシンの開発を行うイギリスのプロドライブは、これまでにBMWやスバルなど、40年以上にわたって数多くの自動車メーカーのラリーマシンを手掛け、何度も優勝に導いてきたモータースポーツ・エンジニアリング・グループだ。ダチアは、ルノー・グループが持つ技術に頼るとともに、この英国チームの開発力も活用して今回のプロジェクトに取り組む。

 プロドライブは2020年からダカールラリーなどのラリーレイドに参戦しており、サウジアラビアで開催された直近3回のダカールには、バーレーン・レイド・エクストリームと提携し自社開発のプロトタイプマシン『ハンターT1』『ハンターT1+』で出場。2022年と2023年大会ではローブとともに総合2位を獲得する結果を残している。

 今回ドライバーとして発表された2名のうち、“レジェンド”であるローブはWRCで9度ワールドチャンピオンとなった輝かしい戦績を持つだけでなく、2016年からダカールにも参加しているベテランだ。

 もうひとりのドライバーとして起用が確定したグティエレスも過去7回のダカール参戦歴を持つ。スペイン出身、31歳の女性ドライバーは2012年以来、スペインのオールテレーン・ラリーの女性カテゴリーで幾度もチャンピオンを獲得した実績を持つほか、2022年にはローブとコンビを組み、エクストリームEのチャンピオンにも輝いている。

 ダチアのマシンは2025年シーズンへの参戦を前に、早ければ2024年のモロッコ・ラリーにテスト参戦する予定だ。

左からセバスチャン・ローブ、デニス・ル・ボットCEO、クリスティーナ・グティエレス・エレーロ
左からセバスチャン・ローブ、デニス・ル・ボットCEO、クリスティーナ・グティエレス・エレーロ


関連のニュース