更新日: 2023.08.20 12:56
【速報】元GPライダー青木拓磨がアジアクロスカントリーラリー初優勝。不屈の挑戦、14度目で結実
8月19日(土)、AXCRアジアクロスカントリーラリー2023の競技最終日レグ6が、ラオスのパクセーを拠点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingインドネシアの105号車トヨタ・フォーチュナーを駆る青木拓磨組が総合優勝を飾った。
首位で最終日を迎え、そのままポジションを守り抜いた青木/イッティポン・シマラックス/ソンウット・ダンピファトランクーン組に続き、チームメイトのトゥバグス・モレンシャディ組(121号車トヨタ・フォーチュナー)も総合2番手を維持してラリーを完走したため、TGRインドネシアは今大会でワン・ツー・フィニッシュを達成している。
■初日はトラブルとミスコース、さらにはペナルティで2時間弱おくれる
今年で28回目の開催を数えるAXCRは、“アセアン”と呼ばれる東南アジア地域で最大級のFIA国際自動車連盟公認クロスカントリーラリーだ。元GPライダーである青木は、バイクのテスト中の事故で下半身不随となった後、四輪に転向。現在は車椅子レーサーとして四輪レースやラリー競技などで活躍している。AXCRへの初参戦は2007年。以来17年間、都合14回にわたって挑戦を続け、2011年には総合3位を獲得した。また、昨年も表彰台目前の総合4位に食い込んでいる。
迎えた14度目のチャレンジは、2022年大会に引き続きトヨタ・フォーチュナーでの参戦となったが、8月14日(月)の競技初日にいきなり試練が訪れる。タイのパタヤをスタートした105号車フォーチュナーは、このSS1で右フロントのドライブシャフトの破損に加え、タービンのインテークが外れるトラブルに見舞われた。
また、数多くのジャンクションを通過する複雑なステージを走行するなかでミスコースがあり、そのうえチーム三菱ラリーアートの田口勝彦/保井隆宏組(112号車ミツビシ・トライトン)と同様に、競技車両同士の正面衝突事故で行く手を阻まれ大きくタイムを失う。結局レグ1は午前中のトラブルによる遅れから24分のタイムペナルティも受けて総合28番手での完走となった。
この時点でトップとのタイム差は1時間56分50秒と大差がつき、青木組にとって2023年大会は非常に厳しい幕開けとなった。