2019年、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権の開幕戦、デイトナ24時間レースにウェイン・テイラー・レーシングから初出場し、初優勝を収めた小林可夢偉。早くも同チームからの2020年デイトナ24時間参戦が発表されたが、可夢偉はさらなる“アメリカンレース”出場も視野に入れているようだ。
可夢偉は今年デイトナ24時間に出場しただけでなく、翌月のNASCAR開幕戦デイトナ500、さらにはインディカー/IMSAのロングビーチGPにも赴いていたと明かす。
来季のIMSAについても、「チームからは他のレースも出てほしいと言われたけど、とりあえず(WEC世界耐久選手権やスーパーフォーミュラに)影響がなさそうなデイトナの出場が決まった」といい、今後のカレンダー決定状況次第では、さらなるIMSA出場の可能性もありそう。
実際にチームオーナーのウェイン・テイラーも、「いまの彼のスケジュールはトヨタ優先だからね」と残念そうな表情を浮かべるほど、可夢偉の能力とパーソナリティに惚れ込んでいるようだった。
さらに可夢偉は実際に生で現場を見たNASCARについても、参戦への興味を隠そうとしない。
「やりたいですよ。50(歳)になってもWECに乗れと言われても無理ですしね。現実的にチャンスがあるかは分からないですけど、だからこそIMSAなどアメリカのレースは積極的にやりたい」と可夢偉。
トヨタは現在NASCARに参戦しているが、「そういう(トヨタからの)チャンスを狙うのではなく、個人的にはアメリカでちゃんと評価されるドライバーになりたい。アメリカで、僕がどういうドライバーかっていうのを理解してもらえれば仕事のチャンスが広がるから、積極的に行くのは大事だと思う。もちろん(NASCARは)畑違いすぎる部分はあるので、そこに入っていくのは大変でしょうけどね」。
当面、可夢偉にとっての最大の目標はル・マン制覇であり、本人も「それやらないと何も言えない」と気を引き締めるが、それを達成した際には、可夢偉の目はよりアメリカ大陸へと向くのかもしれない。
アメリカンレースの“雰囲気”にも、可夢偉のキャラクターやスタイルは合っているように思える。簡単なことでないことは確かだが、“アメリカで受け入れられる日本人トップドライバー”への期待は、少しずつ膨らみ始めている。