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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.03.28 15:44

D’station Racing 2022 WEC世界耐久選手権第1戦セブリング レースレポート

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ル・マン/WEC | D’station Racing 2022 WEC世界耐久選手権第1戦セブリング レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2022.03.27

dstation-racing.jp
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Facebook : @DstationRacing

2022 FIA World Endurance Championship
Round 1 1000miles of Sebring (USA)

MAR. 16 – 18 Qualify :5th / Race:6th

2022年のWECが開幕。難コースで好走をみせ6位入賞

 2021年、FIA WEC世界耐久選手権に参戦を開始したD’station Racing。コロナ禍も少しずつ収まりはじめ、渡航制限も和らぎつつある3月、いよいよその2年目となる挑戦がスタートした。アメリカはフロリダ州のセブリングが開幕の舞台だ。3月16〜18日に行われる第1戦を前に、3月12日(土)〜13(日)に恒例の“プロローグ”と題した事前テストが行われた。

 舞台となるセブリング・インターナショナル・レースウェイは、アメリカ陸軍の飛行場の跡地に作られたコース。フラットでコース幅も狭くテクニカルだが、コンクリートで作られたコースは“超”がつくほどバンピー。マシンにもドライバーにも負担が大きいコースだ。

 そんなセブリングを舞台に3月12日(土)にスタートしたプロローグでは、午前は藤井誠暢から今季チームに加わった期待のチャーリー・ファグ、そして星野敏へと交代し周回。午後も藤井、ファグ、星野、さらにファグ、藤井、星野、藤井と交代。2日目も3人が頻繁に交代しながら周回を重ね、バンピーな路面への足回りのセットアップなどを中心にテストをこなしていった。

 セッション2での10番手が最上位とベストタイムこそ出ていないが、手ごたえは良くレースウイーク本番を迎えた。

 迎えた3月16日(水)のレースウイーク。フリープラクティス1では、藤井、ファグと交代しまずは10番手につけると、フリープラクティス2ではファグ、藤井、そして星野と代わり、8番手に。明けて3月17日(木)のフリープラクティス3では、星野、藤井、ファグ、星野と代わり、6番手と少しずつポジションが上がっていった。

 現地時間19時から行われた予選でアタッカーを務めたのは星野。ここまで少しずつセブリングにも慣れてきた星野は、途中赤旗中断をはさむ難しい予選のなかで、最終周の5周目に2分01秒379の好タイムをマーク。自己ベストを更新、過去最高位の5番手を獲得してみせた。

 好ポジションからスタートを切る2022年の開幕戦は、現地時間午後0時にスタートが切られた。2021年に毎戦レースのスタート直後を沸かせてきたのと同様、今回も藤井がスタートを務めた。今季もそのアグレッシブな走りは健在で、ジワジワとポジションを上げていくと、ファーストスティントで2番手まで浮上。26周をこなし星野にバトンを繋ぐ。その後も星野、ファグと好ペースで周回を重ね、上位争いを展開していった。

 そんななか、ちょうどレーススタートから2時間を過ぎたあたりからステアリングを握ったファグは、一度ピットインした後ダブルスティントを敢行していくが、スタートから3時間28分が過ぎた頃、サーキットに緊張が走った。

 ハイパーカークラスの#7 トヨタがLM-GTE Amクラスのマシンと接触しクラッシュ。リスタートを切るも、コントロールができずふたたびタイヤバリアへ。車両が横転してしまい、レースは赤旗中断となってしまった。

 レースは4時間過ぎに再開され、ふたたび星野に交代。またも安定したペースで長いスティントをこなすなど、今季開幕戦でその実力を発揮。ふたたびファグに交代していった。

 ところがレース終盤。サーキットの上空には雷雲が近づいていた。レースコントロールは雨雲レーダーを注視しながら、最終的に雷雲接近を理由に赤旗中断を決断。そのまま70分を残し、レースは終了となった。

 最終的にD’station Racingの結果は6位。予選順位からはひとつ下ではあるが、それでもきっちりと入賞を果たしてみせた。1年間WECを戦ってきた成長を感じさせる結果となった。

 WEC世界耐久選手権は、アメリカでの戦いを終え、次戦はベルギーはスパ・フランコルシャンでの第2戦。ル・マン24時間の前哨戦とも言えるレースだ。D’station Racingはさらなる成長を遂げるべく、スパでのレースに臨んでいく。

D'station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE
D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
初めてのセブリングでのレースは、走りはじめこそあまりにもバンピーで、本当に怖かったです。しかし少しずつ慣れてきて、タイムアップもできましたし、戦えるようになってきました。予選では最終ラップでのアタックがうまくまとまり、過去最高位の5番手に入ることができました。決勝レースでは、第2スティントと第4スティント、合計2時間半ほど走りましたが、特に危ない場面もなく本当に良かったです。6位という結果となりましたが、今季は高い実力をもつチームが多いなかでこういった結果を残せたので、良い結果だったと言えるのではないでしょうか。次戦はスパ・フランコルシャンでのレースですが、昨年は7位だったので、それ以上の成績を残したいですね。

Driver:Tomonobu FUJII
D’station Racingとしては初めてのセブリングでの戦いでしたが、終わってみれば6位入賞と、予想以上に良いリザルトで終えることができました。コースは非常に狭く、バンピーでクルマのセットアップも難しいものがありましたが、プロローグからレースウイークに向けてレベルを上げることができ、良いレースができたと思います。星野選手も難しいコースでうまいバトルをしてくれましたし、チャーリー選手も前評判どおりスキルが高く、初めてのセブリング、LM-GTEの戦いでスピードをみせてくれたと思います。今季、チームも昨年同様良いスタッフがそろっていますし、開幕で結果が残せたので、シーズンが楽しみです。スパでは昨年以上のレースをしてきたいです。

Driver:Charles FAGG
まずはD’station Racingのみんな、そして星野サン、藤井サンにこうしてWECを戦う機会を与えてもらったことに感謝しているよ。WECに出ることは僕にとっても夢が叶った瞬間だったし、ふたりのチームメイトになることができて本当に光栄に思っているんだ。この週末はクルマも実に素晴らしかったし、チームもとても良い仕事をしてくれたよね。結果的にはクルマのポテンシャルを考えたら5位にはいけたと思っている。でも僕にとって素晴らしいWECのデビューレースになったし、今シーズンの戦いがすごく楽しみだよ。表彰台もいくつか獲得できるんじゃないかと思っている。次のレースが今から待ち遠しいね。アリガトウ!

Team Director:Tom FERRIER
2022年のWEC開幕戦はD’station Racingにとって初めてのセブリングでの戦いだったが、チーム全体がノーミスで6位入賞という結果を残せたことを非常に誇らしく思っているよ。特に星野サンがこの難しいコースで非常に良いペースで走ってくれて、予選で過去最高位の5番手を獲ってくれたことで、上位からスタートすることができた。レースは1000マイルという長い戦いだったが、チームスタッフもドライバーも素晴らしい仕事をして、今季最初のレースを良い形で終えられたことを嬉しく思っているよ。次戦はスパ、そして最も重要なル・マンへと続いていくが、この流れを繋げ、D’station Racingのレベルをもっと上げていきたいと思う。

Chief Engineer:Jonathan LYNN
今シーズン、WECの開幕戦はセブリングで開催されることになったが、プロローグでは足回りのセットを煮詰めていき、レースウイークに向けて良いレベルのクルマに仕上げることができたと思っている。予選では星野サンが非常に良いタイムをマークしてくれたし、決勝レース序盤は藤井サンが大きく順位を上げてくれた。またレース中の星野サン、チャーリーも良い仕事をしてくれたと思っている。セブリングは歴史あるコースだが、路面が狭くバンピーで、世界的にも難しいコースだ。こういった舞台でトラブルなく、ミスなく週末を終えることができた。ヨーロッパでの次戦以降はデータも豊富にあるので、今シーズンを楽しみにしているよ。


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