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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.03.02 22:19
更新日: 2022.03.02 23:41

D’station Racing 2022アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦/第4戦アブダビ レースレポート

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ル・マン/WEC | D’station Racing 2022アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦/第4戦アブダビ レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2022.03.03

dstation-racing.jp
Instagram : @dstation_racing
Twitter : @dstation_racing
Facebook : @DstationRacing

2022 Asian Le Mans Series
Round 3 / 4 Yas Marina Circuit (UAE)

Round.3:FEB.20 Qualify :5th / Race:8th
Round.4:FEB.21 Qualify :7th / Race:Ret.

上位争いを展開し悔しい結果も、世界と戦う手ごたえを得る

 2月11日(金)〜13日(日)に、ドバイ・オートドロームで開催された2022年アジアン・ル・マン・シリーズ第1戦/第2戦のレースウイークを通じて、着実な進歩を遂げたD’station Racing。ドバイでの週末を終えた後、チームはクルマでわずか1時間ほどの距離にあるアブダビのヤス・マリーナへ移動。2週間ほどというコンパクトな日程のなか、2月17日(木)に走行がスタートした第3戦/第4戦に向けて設営やアストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3のメンテナンスを進めた。

 迎えたふたつめの舞台、ヤス・マリーナは2021年のアジアン・ル・マンでも、アストンマーティンの相性が非常に良かったコース。D’station Racingにとっても例外ではなく、上位で戦うことができていた。ドバイで掴んだ進歩の手ごたえを活かし、アブダビでの表彰台争いを目指すべく、週末への準備を進め、木曜の走行に臨んだ。

 2021年との違いはコースレイアウトの変更だったが、D’station Racingのアストンマーティンはさらに改良したセットアップもうまく決まり、1回目、2回目ともに好走。2回目では3番手と上位につけ、初日の走行を締めくくった。

 明けて2月11日(金)のフリープラクティス1では、まずはトム・ギャンブルから走行を開始し、星野敏、藤井誠暢と交代。ギャンブルが1分52秒614をマークし11番手につける。フリープラクティス2でも星野、藤井、ギャンブル、そして星野と交代しながら周回を重ね、ギャンブルの1分52秒992で15番手につけた。順位以上にフィーリングは良好で、チームは2月12日(土)の予選、そして第3戦に自信をもって臨んだ。

 ドバイラウンドに続き、今回も予選アタッカーはギャンブルが務めた。現地時間午前9時35分にスタートした第3戦の予選では、まずは1分51秒021をマーク。この結果、GTクラスの3列目にあたる5番手につけてみせる。さらに続く第4戦の予選では、1分51秒097で7番手に。両戦でシングルグリッドを獲得し、目標に大きく近づいてみせた。

 12日(土)の午後2時30分からの第3戦の決勝レース。今回はスタートドライバーを藤井が務めた。まわりは世界のGTレースで戦うトップドライバーたちだが、スタート直後にアクシデントを避けるため一度7番手までドロップするものの、すぐに挽回。華麗なオーバーテイクとともに国際映像にも注目される走りで、一気に2番手まで浮上してみせた。

 藤井は25周をこなしピットに戻り、星野にステアリングを託す。ただそのスティントの最中、残り2時間34分という段階で、コース上の他車のアクシデント処理のためセーフティカーが導入され、さらに残り2時間20分で赤旗中断となった。そんな混乱の中盤戦は残り1時間50分で再開されるが、星野はしっかりと乗り切るとギャンブルに交代。追い上げにかかった。

 ギャンブルはアグレッシブに前を追い、着実に順位を上げ5番手につけ終盤を迎える。ただ、その激しい追い上げが思わぬ事態を招いた。コース外を走行したとされるトラックリミット違反のペナルティが課されてしまったのだ。残り4分の時点でペナルティをこなし、結果は8位となった。

 上位と戦う手ごたえを得て、今度こそ結果を狙いたい2月13日(日)の第4戦。この日もスタートドライバーを務めた藤井は、1周目の混戦から一歩も引かないバトルを展開。21周目には3番手まで浮上してみせた。シリーズ最終戦ということもありフルコースイエローが相次ぐが、荒れたレースのなかで藤井から星野、ギャンブルと交代していく。しかし、残り1時間39分というタイミングで、まさかの駆動系トラブルが発生。アストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3はコース上にストップしてしまった。結果が欲しかっただけに悔しいアブダビラウンドとなったが、世界と戦う感触を得た週末となった。

D'station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GT3
D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GT3

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
アブダビは2021年からはコースレイアウトも変わっており、初めての走行でしたが、走り出しから良い流れで走ることができたと思っています。第3戦、第4戦ともにまわりにプロの速いドライバーがいるなかでバトルをすることもでき、WECに向けた良いトレーニングにもなりました。アブダビでのレースは両戦ともに上位で戦うことができたので、チームとしても良かったと思います。第3戦ではペナルティもありながら強豪ぞろいのなかで好結果を残すこともできましたし、第4戦では残念ながら駆動系トラブルがありましたが、それまでは戦略も良く、内容としてはドバイ戦よりも良い週末になりました。これをきっかけに、今シーズンのレースも頑張っていきたいと思います。

Driver:Tomonobu FUJII
アブダビでは2レースともに序盤から上位争いをすることができました。クルマのセットアップもドバイから非常に良くなり、チームとしてのレベルも上がったと思っています。全体的なパフォーマンスがドバイよりも大きく上がっていました。第3戦では8位という結果でしたが、第4戦では周囲とはまったく異なる戦略を採っていたので、うまく走りきることができていればさらに上位にいけたのではないでしょうか。2週間で4レースと、慌ただしいなかでのレースとなりましたが、非常にレベルが高いなかで、チームとしてもドライバーとしても戦うことができ、多くのものを得られました。いよいよセブリングからWECが始まりますが、今シーズンも頑張っていきたいと思います。

Driver:Tom GAMBLE
予選では5番手、7番手という位置につけることができて、とても良い走りができたのではないかと思っているよ。今回はレースで藤井サン、星野サンが素晴らしいレースをしてくれて、上位争いをすることができた。第3戦では5番手まで順位を上げることができたけれど、トラックリミットのペナルティを取られてしまったのは本当に残念だったね。第4戦では、クルマはさらにいい状態になっていたけれど、最終的に駆動系トラブルが起きてしまった。チェッカーを受けることができなくてすごく悔しく思っているよ。今回ドバイ、アブダビとD’station Racingの一員としてチャンスをもらうことができ感謝しているよ。またレースをともに戦う機会を楽しみにしている。

Team Director:Tom FERRIER
ドバイ、アブダビという2連戦のなかでD’station Racingのスタッフたちとともに、TF SPORTのスタッフがサポートとして一緒になって戦い、良い2週間を過ごすことができたと思う。素晴らしい日本人スタッフたちのおかげで、スムーズに仕事ができたと思っているよ。アブダビではドバイよりも平均的なラップタイムが上がり、順位としても上で戦うことができた。チームとしても向上することができたし、星野サンのペースも非常に速く、このレベルが高い戦いのなかでD’station Racingは素晴らしい仕事をしたと思っているし、セブリングから始まる今シーズンのWECもとても楽しみにしているよ。

Chief Engineer:David BREWER
アブダビ戦では、ドバイからセットアップをさらに大きく変更して臨んだ。今季はコースレイアウトが変わり、より中高速コースとなっていたが、我々にはとてもフィットしていたと思う。予選では5番手と7番手、そして決勝では藤井サンが追い上げ、星野サンもとても良いペースで走ってくれた。トムも彼の仕事をしっかりこなせたと思う。結果的に第3戦は8位、第4戦はリタイアという結果となったが、我々のスピードはこの多くのエントリーのなかでも、上位で戦うポテンシャルを示せたと思う。日本人スタッフと仕事をしたのは初めてだが、彼らの仕事は非常にプロフェッショナルだった。WECでもさらなる活躍に注目して欲しいね。


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