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投稿日: 2017.06.27 10:00
更新日: 2017.06.27 13:12

今年も320キロ越えか。スーパーフォーミュラ富士戦はPP勝率低い、オーバーテイクバトル

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スーパーフォーミュラ | 今年も320キロ越えか。スーパーフォーミュラ富士戦はPP勝率低い、オーバーテイクバトル

 2戦を終え、5人のドライバーがシリーズポイントで1点差以内。2017年のスーパーフォーミュラ(SF)は、例年以上に拮抗した戦いを呈している。そして1カ月強のインターバルを経て開催される第3戦富士(7月8〜9日開催)は、どのような結果が待っているのか──。

 世界最長級である約1.5kmのロングストレートが、富士スピードウェイ最大の特徴だ。シャシーがSF14となった14年からは、燃料流量リストリクターによって燃料流量を制限し、エンジンの最高出力をコントロールしている。15年以降、燃料流量は基本が90kg/hとなり、鈴鹿と富士では95kg/hに設定された。さらにレース中には5回、SF独自のオーバーテイクシステム(OTS)の使用が認められている。

 1回につき20秒間、燃料流量を10kg/h増大でき(鈴鹿と富士は105kg/h、その他のサーキットでは100kg/hになる)、モアパワーを得られるのだ。昨年の決勝では、富士のロングストレートで321.237km/hという最高速がマークされた。ちなみに、燃料流量が通常時で100kg/h、OTS使用時で105kg/hという設定だった14年には、326.087km/hが刻まれている。

 今年の富士ラウンドにおいて、まず注目すべきはその最高速だろう。SF14シャシーとともに4シーズン目を迎えたNRE(ニッポン・レース・エンジン)エンジンは、年を追うごとに進化を続けた。エンジン自体、現状が最も熱効率に優れているのは当然として、今年はターボチャージャーが1サイズ大きくなり、車両右側のサイドポンツーン上にある吸気導入口のチムニーも拡大するなど、出力が引き上げられている。

 開幕前、3月31日~4月1日に開催された富士テストでの最高速は319.527km/hだった。昨年の決勝からは2km/h近く落ちていることになるが、テスト時のOTSの使用状況は分かっておらず、しかもトヨタ勢ではまだ全車が今季仕様のエンジンを投入していない状況であったため、本戦ではさらに速くなる可能性を秘めているからだ。

 この出力向上は、多くのオーバーテイクシーンを生み出す効果もある。前戦岡山は、コース特性上「抜けないサーキット」と言われ、実際に予選順位とスタートでレース結果がほぼ決まってしまった。しかしロングストレートを持ち、コース幅も広い富士は、もともと多くのオーバーテイクが見られる。その証拠に過去3年間(14年の第2戦、2レース制大会除く)、ポールシッターは勝てていない。

 もちろん、ポールポジションの獲得が優勝に近づく第一歩ではあるが、その重要性は他のサーキットよりも小さいと言っていい。そして出力が向上した今季は、OTS使用時の伸び代も大きくなっており、オーバーテイクが増えると予想されている。


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