更新日: 2022.07.18 10:47
サッシャ・フェネストラズは検査のため病院へ向かうも異常なし。山本尚貴が語るアクシデントの状況/第6戦決勝
7月17日に富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦決勝。スタート直後からさまざまな波乱があったが、なかでも3周目の2コーナーでサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)と山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が接触、コントロールを失ったフェネストラズがアウト側のタイヤバリアにクラッシュを喫した一件は、見る者に大きなインパクトを残した。
マシンはエンジンが脱落するほどの大きな衝撃を受けたが、フェネストラズは自力で降車。コースの外へ自力で歩こうとするもタイヤバリアにもたれかかり、辛そうな仕草をみせた。
チーム関係者によると、クラッシュ後も意識はちゃんとあり、受け答えもしっかりできていたが、腰に痛みを訴えているとのことで、すぐにドクターヘリで神奈川県厚木市内の病院に検査のため向かったという。
その後は詳細な情報が入ってきていなかったが、KONDO RACINGが19時50分に公式ツイッターで状況を報告。検査の結果、骨などに異常は確認されず、フェネストラズ自身も元気とのことで、本人も自身のアカウントで笑顔でサムアップした画像とともに無事であることを投稿している。
一方の山本はマシンに大きなダメージはなくレースを続行したが、他者への衝突行為とコースアウトをさせたということで、のちにドライブスルーペナルティが出され、ペナルティポイントも2点課される裁定が下った。
本来ならば、フェネストラズと山本の両者から状況を聞きたいところだが、先述の都合によりフェネストラズの話は聞くことが叶わなかった。後ろにいた山本は、直前の周回からのフェネストラズとの位置関係や状況を、以下のように説明した。
「状況としては、前の周に前方を走っていた3台がオーバーテイク(OT)を使い合いながらホームストレートを通過していました。自分は後ろの車両との距離もあったので、あえてそこでOTを使わずに、翌周相手が使えない時に自分が使って、前に出ることを考えていました」
「翌周は前との差も近かったですし、OTを使って前に出ることを狙っていたのですが、今週はドライだと直線スピードがあまり速くなかったので、OTを使っているのですけど、思ったよりはサッシャ選手との差が縮まらなかったです」
「ストレートエンドでは(アウト側から)横に並ぶことはできたんですけど、そこで差し切ることができなくて、一旦後ろに下がりました。そこでクロスラインを仕掛けて2コーナーのインをとって前に出ようとしましたけど、2コーナーでインを締められたので、今後はギリギリ左側(アウト側)にラインを取りました。OTを切っていない状態だったので、自分の加速の方が圧倒的に速かったですし、それはサッシャ選手も分かってはいたと思います」
「ただ、思っている以上に前が塞がれる形になったので、そこから左には逃げ道はなかったので、判断としては、(ラインを)スイッチングして右側(イン側)に出ようと思ったのですけど、速度差はかなりついていたので、彼のテールを自分のフロントノーズで引っ掛ける形になってしまって、相手を外に飛ばしてしまったという状況です」
「スリップも効いていたので、速度がかなりのってしまったのと、そこからハンドルを切ったのですけど、ダウンフォースが抜けちゃっていたので、自分としては、あの状況では、あれしかできなかったです。事を大きくしてしまったので、もちろん彼に対して申し訳ない気持ちもあります。実際に自分にペナルティがついたので、そこは弁解の余地もないです」
「ただ、あそこで自分がOTを使っていて、彼がOTが使っていなくて、速度差があるというのが、彼も分かっている状況で、彼を信じて1台分のスペースが残るだろうと判断して、外側に位置しました」
「すべて言い訳になってなってしまうのですけど、彼があそこまで締めてきたタイミングと、自分が彼と距離がゼロだったタイミングが重なってしまったので、自分としては真後ろに当たるか避けないといけないなかで、右に避けるという選択をとったら、お互いのコーンが引っかかってしまったので、彼を弾き飛ばす形になってしまいました」