いよいよ4月8〜9日、富士スピードウェイでの開幕のときが近づいてきた2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。今年の開幕富士大会は新型車両『SF23』や新タイヤが初の実戦を迎えるほか、新人ドライバー&新チームの参戦もあり、スーパーフォーミュラの新時代の幕開けを感じさせる注目の一戦となる。
そこで、今回はレーシングドライバーや、スーパーフォーミュラのピットレポーターを経て、今季は『スーパーフォーミュラ・アンバサダー』に就任した三浦愛さん、そして大会開催時のイベントMCを務める『スーパーフォーミュラ・スペシャルサポーター』に就任した笠原美香さんに、開幕富士大会のオススメの観戦ポイントや、スーパーフォーミュラ観戦に友達を誘う方法など、思う存分に語っていただきました。
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──まずはおふたりとスーパーフォーミュラとの関わりについて教えてください。
三浦:2020年から3シーズンにわたってピットレポーターをやらさせていただきました。思っていたよりも緊張感が常に漂う現場だと感じましたね。おもな取材場所がピットロードというのも理由のひとつですが、事前取材でチームに話を聞く際もなかなか期待したようなコメントを答えてもらえなかったりと、ドライバーとして走る時とは違った、常に一線を置かれた状況だなと思いました。
3年目になってからピットレポーターとしても慣れてきて、自分で(話を聞きやすい)雰囲気を作っていけるようになったと感じます。また、私もドライバーとして取材を受けることもありますので、その経験から私もドライバーに失礼がないようにと考えて取材に臨むのですが、その思いが強く出てしまい『もっとズバッと聞けばよかった』と反省することもありましたね。
笠原:私はイベントMCを初めて務めた現場が2018年のスーパーフォーミュラでした。それまではカメラの前で話すことはあっても、実際にお客さんを目の前にしてお話しするということは2〜3年に1度というほどで、最初はめちゃくちゃ緊張しました(笑)
もともとイベントMCは元レースクイーンさんやモータースポーツのジャーナリストさんが務められることが多かったのですが、私の起用は『スーパーフォーミュラが好きなんだ』という思いや雰囲気を通じて、お客さんにイベントを楽しんでいただきたいという意図からでした。MCとしてステージをこなすというよりは、スーパーフォーミュラが好きというファンの皆さんと同じ思いを通じて、一緒にイベントを盛り上げる空間を作り上げてほしいということでしたので、イベントMCの経験もない中では大変でした。
ちなみに、『カンニングのDAI安☆吉日!』(2018年までBSフジで放送)という番組で、スーパーフォーミュラの応援をしている『ミュラ子』として、ピンクの格好でバラエティ色を出して取材に訪れたのが最初です。番組も格好もバラエティ色が強く、ドライバーの方のコメントも弾んでいたので、そんな感じでイベントステージでも話してくれるだろうと思っていましたが、トークショーとなるとレース直前でみんな緊張感があって、ドライバーからコメントを引き出しつつ、目の前にいるお客さんたちをどう盛り上げるかというところで最初は苦戦しましたね。
三浦:わかります。レース直前のドライバーは話しをする余裕がない人が多いですよね。自分の調子がいい時は気持ちにも時間にも余裕が出来てよくしゃべりますけど(笑)。
笠原:たしかに!
三浦:私もレポーターの際には調子の良さそうな人から話を聞きに行きます(笑)。
笠原:一方、少し調子が悪そうな選手には何から話を始めるか迷いません?
三浦:そう! どうポジティブに持っていけばいいかすごく悩みますね。
笠原:わからない風を装って話を聞いたりもしますね。
三浦:私もそうしたい時がありますが、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)に『いや、それは聞かなくてもわかるでしょ(笑)』と言われたことがあります。でも『わかるけど、本人の口から話してほしいの!』って(笑)。
──おふたりはいつ、お互いのことを知りましたか?
笠原:私は全日本F3選手権に女性ドライバーさんが出ているという聞いて三浦さんを知りました。
三浦:最初に話したのはいつだっけ?
笠原:2020年のKYOJO CUPかもしれない。
三浦:私が笠原さんを最初に認識したのは『ピンクを着ている人』でした(笑)
笠原:そりゃ、そうなりますよね(笑)。
──三浦さんはピットレポーター、笠原さんはイベントMCと、それぞれご自身の仕事ぶりをどう振り返りますか?
笠原:スーパーフォーミュラで初めてイベントMCのお仕事をさせていただき、お客さんたちと接する楽しさを知りました。今後もイベントのお仕事は続けていきますし、もっとスーパーフォーミュラの楽しさを発信し、より多くの人を巻き込みたいなという気持ちは抱いています。
三浦:みかっちゃん(笠原さんの愛称)は、めちゃくちゃ吸収力があるので、そこは私も習いたいところです。
笠原:お仕事をさせていただいておりますが、根底はスーパーフォーミュラのファンなので(笑)。
三浦:私はピットレポーターをやらせていただき、モータースポーツはドライバーが花形ですけど、それを大変な思いをしながら裏から支えている人たちがいるということを目の当たりにすることができました。
ドライバーはレースに集中したいし、あまり人と接したくなくてトレーラーやチームオフィスに引きこもったりもするのですけど、それを1時間も2時間も、ドライバーが出てくるまで待ってくれているメディアの人もいるということも知りました。今思えば、レースに参戦していたときは私もすごく申し訳ないことをしていたなと感じましたね。
三浦:あと、ピットレポーターを経験して得た、人前で話すスキルは今後のドライバー人生でも活かすことができると感じます。私はあまりしゃべりが上手ではないですけど、JRPでボイストレーニングも受けさせていただいたりもしました。
──それでは、開幕が迫る富士でそれぞれ個人的に楽しみにしていることを教えてください。
三浦:開幕富士ラウンドは新しいタイヤ、新しいエアロパッケージで迎える初めての大会となりますが、富士スピードウェイでの開幕前テストがなかったということで、おそらく……どのチームもドライバーもすごくピリピリしていると思います。今年私はピットレポーターから離れたので、そのピリピリした雰囲気の中でどのようにみかっちゃんたちが飛び込んでいくのかにも注目しています(笑)。
あとは、まだ不慣れなパッケージでのレースとなって荒れることが予想されますので、観客の皆さんにとってはとても面白いレース展開が見られるとも思います。
笠原:SFgoアプリが本格始動し、これでスーパーフォーミュラの新しい楽しみ方が広まると思います。また、今年は外国人ドライバーも多数参戦しますし、マシンカラーリングが大きく変わったチームもあり、すごく新鮮さに溢れる開幕大会となると思います。SF23の富士での初走行が本戦というワクワクもあり、本当に楽しみになる要素が溢れていますね。
三浦:イベントも増えますし、個人的には『Out of KidZania in SUPER FORMULA(アウト・オブ・キッザニア・イン・スーパーフォーミュラ)』がどんな感じになるのかも楽しみです。
笠原:ファミリーでレース以外にも楽しめるコンテンツがあるのは嬉しいよね!
──おふたりもこれまで経験があると思いますが、友人などにスーパーフォーミュラ観戦を勧めたいときに、どう誘いますか?
笠原:まったくレースのことを知らない、レース観戦未体験の人を連れて行くのは難しいですよね。私は富士スピードウェイでのレースの際には、『御殿場アウトレットに行く前にレースも観に行かない?』という誘い方をしたことがあります(笑)。また、レースをほとんど知らない人でも、小林可夢偉選手(Kids com Team KCMG)のことは知っていたので、『可夢偉選手を見に行こう!』とパドックパス握りしめて行ったこともありますね。
三浦:レースを観に行こうよと誘うよりも、レース以外のトピックスも含めて御殿場&小山町に誘っちゃうということは私もあります。自分が出走するレースの際には『私が出るから来てね!』と言えるのですけど、そうではない時にはレース以外にも楽しいイベントが充実しているよというのを推しちゃうかもしれないですね。
スーパーフォーミュラの場合は、日本のトップカテゴリーで、本当のトップレーサーが走っていますし、マシンもすごく速く、迫力もあります。ただ、そこだけを推すのではなく、『こんなかっこいいドライバーもいるんだよ』という万人受けしそうなところから勧めちゃうかもですね。
笠原:たしかに、スポーツ観戦が好きな子はイケメン選手を推す人も多いよね! スーパーフォーミュラでは、早速ジェム・ブリュックバシェ選手(TGM Grand Prix)を推す声も少なくはないですよ。
三浦:私も聞く限り、外国人選手の人気は高いですね。
笠原:一昨年くらいにイベントステージで勝手にアンケートと題して推しメンドライバーのアンケートをとった際に、若い子に人気だったのは国本雄資選手(Kids com Team KCMG)と牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)でしたね。レース好きには大嶋和也選手(docomo business ROOKIE)や山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)とか。
三浦:平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は野球の大谷翔平選手にも似たトップアスリートの雰囲気が漂うということで、人気ですね。
──それでは、富士スピードウェイのオススメポイントを教えてください。
三浦:私がぜひお勧めしたいのは、TGRコーナー、コカ・コーラコーナー、GRスープラコーナーです。ブレーキングとコーナリング中のクルマの挙動、そのクルマのポテンシャルを見ることができますね。フリー走行中には各チームのアドバイザーさんやチームスタッフさんもそこから走りをチェックしていたりもしますね。みかっちゃんはどう?
笠原:富士はプライベートで端から端まで何周も歩いて回ったけど、開幕の時期はタイミングが合えば桜も咲いているので、お花見しながらレースを見たりもできそうですよね。そういう点ではグリーンファイト100Rコーナー内側の芝生のエリアがオススメかな。芝生に座って落ち着いている周りをクルマが走っている感じがピクニックっぽさも味わえて好きですね。
三浦:富士行ったらいつも何食べる?
笠原:グランドスタンドなら『しょうが焼き丼ぶり』ですね。クレインガーデンではチェカドライバーメニューや、期間限定ですがSFドライバーコラボメニューとかかな。
三浦:私はクレインガーデンの麻婆豆腐が美味しいって評判を聞いてかなり気になってるところ! 坪井翔選手の奥さんの斎藤愛未選手からの情報(笑)。
笠原:今年もスーパーフォーミュラ・ドライバーとのコラボメニューがあるので、こちらも楽しみですね!
──最後に、今季のおふたりの活動について教えてください。
三浦:先日発表いたしましたが、Team Mという新しいレーシングチームを立ち上げました。スーパーフォーミュラではピットレポーターを卒業し、『スーパーフォーミュラ・アンバサダー』を務めさせていただきます。スーパーフォーミュラの公式サイトやSNSなどで発信を続けてまいりますので、引き続きよろしくお願いします!
笠原:私は引き続きイベントに出演します。今季より近藤みやびさんと一緒に『スーパーフォーミュラ・スペシャルサポーター』として、ファンの皆さんと一緒にスーパーフォーミュラを盛り上げていきますよ!
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