スーパーGT第7戦の決勝レースが10月8日、タイ・ブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、スーパーGT300クラスは中山雄一/坪井翔組のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3が優勝。今季2勝目を飾った。
決勝は現地時刻15時にスタート。スタート進行中に激しいスコールがあり、あっという間に路面はフルウエットとなったが、レースが始まる10分前ごろには青空がのぞき陽が射し始め、前日に行われた予選同様にコンディションが読みにくい状況となる。
スコールによって一気にウエット路面となったコースだが、各車のタイヤ選択は分かれた。B-MAX NDDP GT-R、Studie BMW M6、30号車TOYOTA PRIUS apr GT、D’station Porsche、GULF NAC PORSCHE 911、VivaC 86 MCの6台がスリックタイヤを選択。それ以外のマシンはレインタイヤをチョイスしている。
レースはセーフティーカースタートとなった。2周にわたりセーフティーカー先導でコースを周回し、その間に各車はマシンを左右に振りながらタイヤを暖める。
3周目、セーフティカーがコースを離れ、本格的にレースがスタート。ここで好スタートを切ったのはポールポジションスタートのHitotsuyama Audi R8 LMSを駆るリチャード・ライアンだ。JMS RC F、グッドスマイル 初音ミク AMG、SUBARU BRZ R&D SPORT、ARTA BMW M6 GT3らが続くが、Hitotsuyama Audiはあっという間に2番手以下を引き離し、5周(以下、周回数はGT300のもの)を終えるころにはすでに約2.5秒ものアドバンテージを築いていた。
この時点でのコースコンディションは、次第にコースが乾き出してはいるものの、まだ1コーナーには川ができている状態。ほぼウエットコンディションでの走行となったスリックタイヤ勢はことごとく下位に沈み、GT500クラスのスリックタイヤを履いたマシンをGT300の上位陣が抜き去るシーンも見られた。
序盤はHitotsuyama Audiが安定した走りでトップをキープした一方、激しく争われたのは2位争いだ。JMS RC Fと初音ミク AMGがテール・トゥ・ノーズの戦いを展開。初音ミク AMGの片岡龍也は前を走るJMS RC Fの中山雄一の背後にぴたりとつけ、マシンを左右に振って何度も様子を伺う。さらにこの2位争いにSUBARU BRZが迫り、三つどもえの様相を呈した。
2番手を守るJMS RC Fだったが、ついに11周目で初音ミク AMGにポジションを空け渡すとSUBARU BRZにも迫られる状況。スリックタイヤを履いてスタートし周回遅れとなっていたVivaC 86と絡みながら必死に3番手をキープしていく。
このころの気温は30度、路面温度は34度で、路面は一気に乾き出し、スリックタイヤ勢の方がレインタイヤ勢よりもペースが上がり始めた。
16周目、SUBARU BRZがいち早くピットイン。SUBARU BRZは2番手争いを展開していたがその数周後に一気にポジションを落としており、レインタイヤでの走行が厳しくなってきたことを伺わせた。SUBARU BRZはスリックタイヤに交換してコースに復帰している。
19周目にはJMS RC F、20周目にはHitotsuyama Audi、初音ミク AMG、LEON CVSTOS AMGと上位陣が相次いでピットインを行った。しかし、LEON AMGにピット作業でトラブルが発生。右リヤタイヤを交換しないうちにジャッキダウンしてしまったのだ。ふたたびジャッキアップしタイヤ交換を終えたLEON CVSTOSは無事にコースに復帰したが、この影響により大幅にタイムを失うことになった。