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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.05.04 22:24
更新日: 2021.05.05 21:20

河野駿佑の嬉しいGT300初優勝を“古巣”GOODSMILE RACING & Team UKYOのメンバーも祝福

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スーパーGT | 河野駿佑の嬉しいGT300初優勝を“古巣”GOODSMILE RACING & Team UKYOのメンバーも祝福

 5月4日、静岡県の富士スピードウェイで開催された2021年スーパーGT第2戦『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』の決勝レース。GT300クラスでは、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTを駆る吉本大樹/河野駿佑組が優勝を飾ったが、河野は嬉しいスーパーGTでの初優勝。2020年にGT300デビューを飾る前は、スーパーGTではGOODSMILE RACING & Team UKYOのデータエンジニアを務めていた人物だ。GOODSMILE RACING & Team UKYOのメンバーにとっても、河野の勝利は嬉しい優勝となった。

 河野はGOODSMILE RACING & Team UKYOのメンテナンスを行う、RSファインの河野高男エンジニアを父にもつ。幼少期からサーキットに通い、2007年にレーシングカートを始め、2014年にスーパーFJ鈴鹿シリーズチャンピオンを獲得。2015年からは初音ミクカラーでFIA-F4に参戦した。

 そんな河野だが、一方で父を手伝いながらRSファインでメカニック、データエンジニアも務めてきた。当然、GOODSMILE RACING & Team UKYOのチーム内でも愛される存在であり、谷口信輝、片岡龍也を、そしてスーパー耐久でRSファインがメンテナンスしたハブオートではスタッフとして吉本を支え、彼らトップドライバーの背中をみて育ってきた。

 2018年からは父と二人三脚で全日本F3選手権に参戦を開始。1台体制ながら、2021年もスーパーフォーミュラ・ライツへの挑戦を続けている。ダウンフォース量の多いF3/SFLでの経験は確実にGT300クラスでも活きており、吉本も2020年の参戦時、「F3に乗っているということはダウンフォースの扱いを分かっていますから」と河野を評していた。

 そんな吉本が2020年、「どちらかというと問題は、彼のこれまでのレースにも現れていますけど、大人しい性格ですよね。スーパーGTでは上がってナンボなのでそれは大事にしつつも、勝負強さはみせてほしい」と語っていた河野だったが、この日のレースでは河野がその勝負強さをいかんなく発揮した。バトルを勝ち抜き、三つ巴のトップ争いを制し、見事初優勝。嬉し涙を流した。

ARTA NSX GT3、SUBARU BRZ R&D SPORTを抑える河野駿佑のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
ARTA NSX GT3、SUBARU BRZ R&D SPORTを抑える河野駿佑のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
トップチェッカーを受けたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
トップチェッカーを受けたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

■『本当に良くやった』父・河野エンジニアも喜び

 そんなトップ争いをピットで見つめていたのが、GOODSMILE RACING & Team UKYOだ。当然自チームの戦いも気にはなっていたが、やはり河野の優勝は我がことのように嬉しかった様子だ。レース後、GOODSMILE RACING & Team UKYOの安藝貴範代表に話を聞くと「めでたいね!」と笑顔をみせた。

「シュン君(河野)は我々にとっては甥っ子みたいなものですからね(笑)。やはり嬉しかったですよ。ピットでは大騒ぎしていましたし、レーシングミクサポーターズも『シュン君が前にいる限りカワイくない』なんて言ってましたが(笑)、優勝したらみんな喜んでいました」と安藝代表。

 また、谷口も「出会った頃はオレの腰くらいの背丈しかなかったシュンが、スーパーGTで優勝するところまできたからね。感動するよね」と喜んだ。

「成長したと思うし、これからも頑張って良いドライバーになって欲しいね。おめでとうございますと伝えたいです」

 そして息子のレースをグッドスマイル 初音ミク AMGのレースとともに見守った河野高男エンジニアにも話を聞いた。

「よく頑張っていたと思う。ちょっと(こちらが)退屈なレースになっていたので、ラップタイムをモニターで見ていました。頑張っていたと思いますよ。ちゃんとレースをしていたし、抜きにもいっていた」と河野エンジニアは、息子の初優勝を喜んだ。

「これで埼玉トヨペットGB GR Supra GTがリタイアしていなかったらどういうバトルになるかな、と思っていました。とはいえ、勝つべき時に勝つのは大事なことだから。それが今回のめぐり合わせだと思う。(自チームのことで)複雑な心境だけど、勝ったことについては『本当に良くやった』と思っています」

 と同時に、「あれだけ頑張っているのに、スーパーフォーミュラ・ライツはなんで遅いのかなって。クルマのせいなのかな。苦しんでいるんですよ」と河野エンジニア。実際、河野はSFLでは開幕前こそ好調だったが、第1戦、第2戦とも苦戦を強いられている。とはいえSFLでもライバルである佐藤蓮がドライブしていたARTA NSX GT3を退けての優勝。SFLでも弾みにはなるはずだ。

 河野はレース後の記者会見の後、吉本とともにGOODSMILE RACING & Team UKYOのピットに立ち寄り、“古巣”からの祝福を受けた。SNSでも、GOODSMILE RACING & Team UKYOのファンたちが河野の初優勝を心から喜んでいる。まだまだ成長を続ける河野の勝利は、2チームのファンにとっても嬉しいものとなった。

河野駿佑(RS FINE K&N 320)
河野駿佑(RS FINE K&N 320)
2016年、初音ミクGTプロジェクトファン感謝デー イベントで走行した河野駿佑
2018年鈴鹿10時間でメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルのメルセデスにゼッケンを貼る河野駿佑


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