更新日: 2021.04.11 22:57
LMcorsa 2021スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート
S-GT2021 Rd1 Okayama Final
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
決勝レース中のファステストラップを記録するなどSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの性能の高さをみせつけるがピットのタイミングが合わず8位でチェッカーを受ける
<気象データ>
気温:19℃、路面温度:33℃(スタート時)
新型コロナウイルスの感染拡大の防止策を施しつつ、予定していたスケジュール通りに開幕戦を迎えた『AUTOBACS SUPER GT 2021SERIES』。昨シーズンは開催地が首都圏に近いサーキットに限定されていたため、岡山国際サーキットでは2年ぶりにスーパーGT公式戦が開催されることとなった。
開幕戦の『たかのこのホテル OKAYAMA GT 300km RACE』は、4月10日(土)に公式練習と予選が、11日(日)には300kmの決勝レースが実施された。レースウイークは両日ともに晴れの国といわれる岡山らしく快晴の天候となり、気温は高くないが陽が差し込むと暖かいレース観戦日和となった。
LMcorsaが今季から導入したニューマシンのGR Supra GTは、昨日の公式練習で電子制御のトラブルが発生したものの、予選Q1を吉本大樹選手がトップで通過。予選Q2を担当した河野駿佑選手もアタックを上手くまとめて6位を獲得し、2021年シーズンの開幕戦を6番グリッドからのスタートで迎えた。
11日の決勝日は10時50分からのドライバーアピアランスでスタートし、正午には決勝レース前のウォームアップ走行が実施された。20分間のウォームアップ走行では吉本選手と河野選手の両ドライバーがSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTのステアリングを握り、GT300クラスの29台中12番手のタイムを記録し、300kmの決勝レースに備えた。
予定通りの13時30分にフォーメーションラップが始まった82周の決勝レースは、吉本選手がスタートドライバーを担当する。オープニングラップを6番手のポジションキープで戻ってくると、序盤はライバル勢の動向を見ながら冷静に周回を重ねていく。7周目にはGT300クラスのマシンがコースサイドに止まったためにセーフティカーが導入され、岡山国際サーキットのレースらしく序盤から荒れた展開となる。
レースは11周目にリスタートし、吉本選手は6番手のポジションを維持しながら走行していく。ラップタイムは上位集団と同等で15周目になっても、トップから3.5秒の差でチャンスをうかがった。スタートから上位陣の入れ替わりはなく、拮抗した状況でレースは序盤の20周を終了した。
展開が動き出したのは25周目からで、このタイミングでレース距離の1/3となり規定されているドライバー交代やタイヤ交換などのピットインが可能となる。トップ10内を走るマシンがピットに戻り始まると、29周目にGT300クラスのマシンが1コーナーで単独スピン。セーフティカーが導入されることを予想したチームは、次の30周目と31周目にマシンをピットに呼び戻す。
LMcorsaはセーフティカーが入るほどのトラブルではないと判断し、吉本選手をコースに留めた。しかし、32周目にセーフティカーが導入されてしまい、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTはトップを走行するもののライバル勢に対して不利な状況となった。
36周目にレースは再開し、吉本選手はトップを走行したまま38周目にピットレーンにマシンを進めた。メカニックの敏速な作業でコースに送り出したものの、第2スティントを担当した河野選手は13番手でコースに復帰することとなった。
トップとの差は68秒で先行するマシンとも40秒差を付けられてしまった河野選手は、必死に追い上げを図っていく。上位陣よりも速いペースで走行するSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは、43周目にGT300クラスのファステストラップとなる1分27秒931をマークし、先行するマシンとのギャップを周回ごとに詰めていく。
ハイペースでの追い上げは20周以上続き、48周目にはポイント圏内の10番手に、67周目には9番手となり70周目には8番手まで順位を上げていった。最終的に河野選手は、トップと68秒あったギャップを53秒まで詰めて76周目に8位でチェッカーを受けた。
両ドライバーともペースは良かったためにピットインのタイミングさえ合えばさらに上位を狙えたはず。そのため、ポイントを獲得したが悔しさが残るレースとなった。ただ、ニューマシンの初陣を8位で終えられたことで収穫はあり、次戦以降の活躍も期待できる内容となった。
●コメント
飯田章監督
「マシンのポテンシャルは高く、序盤から展開も良く勝負権があるレースでした。ただ、岡山国際サーキット特有のセーフティカーが数回入る状況となり、結果的にピットインのタイミングを逃してしまいました。後半のスティントはクリアな状況でコースインできたこともあり、トップ集団よりも速いペースで周回していました。それだけにピット戦略が悔やまれます。ただ、マシンの性能は確認できましたしポイントも獲得できました。ランキングを考えるとシーズンを通してポイントを積み重ねていくことが重要なので、次戦以降もコンスタントに成績を追い求めていきます」
吉本大樹選手
「レース序盤からポジションキープとなりましたが、周回を重ねてもタイヤのグリップ感があり、何かチャンスがあれば上位を狙える状況でした。2回目のセーフティカーのときにライバル勢はピットインし、我々はステイアウトを選びました。戦略がはまればトップでしたが、結果的にこの決断が裏目となり上位集団から脱落してしまいました。今後、おなじような状況のときにどんな戦略を採るかチームと協議したいと思います。それでも、GR Supra GTの速さやタイヤの性能などが確認できたのは、明るい材料です。次戦は長丁場ですがチーム力を底上げして挑みます」
河野駿佑選手
「ピットストップのタイミングは悔やまれますが、公式練習でトラブルが発生した状況から考えるとポイントが獲れ、マシンのポテンシャルも証明でき良かったと思います。私の担当したスティントは、コースインしたときに順位を争うマシンが離れていたため、単独での走行となりました。吉本選手から周回を重ねてもタイヤの性能が極端に落ちることはないと聞いていたので、それなりのペースで走行しました。ファステストラップも記録でき、コンディションは良かったです。それだけに8位という結果は残念ですが、ポジティブな部分も多かった気持ちを切り替えて次戦に向かいます」