更新日: 2023.02.17 16:47
TEAM IMPULの車名がついに変更。80年代から続いたカルソニックが外れ『MARELLI IMPUL Z』に
2月17日、日産自動車/NMCは2023年のモータースポーツ参戦体制についてのプレスリリースを発行し、スーパーGT GT500クラスに参戦する4台の車名とカラーリングを発表したが、最大の驚きとなったのが、2022年のチャンピオンチームであるTEAM IMPULだ。長年車名に採用されてきた『カルソニック』が外れ、2023年からはブルーのカラーリングは変わらないものの、『MARELLI IMPUL Z』という車名となった。
TEAM IMPULとカルソニックのスポンサードの歴史は非常に長く、1982年にスタート。現在チーム総監督である星野一義駆るグループ5のニチラインパル日産シルビアターボへのスポンサーから始まった。社名の日本ラヂヱーターと、製品であるニチラカーエアコンの認知度向上が目的だった。
1988年には創立50年周年という節目に合わせ、それまでアメリカの現地法人名だった『カルソニック』を社名に。当時隆盛を誇っていたグループCでは、ニッサンR89C以降の熱交換器を開発したほか、グループA最強の存在であるR32スカイラインGT-Rの熱交換器やレース用E-TSコントローラーを供給。ニスモ、TEAM IMPULへのスポンサードとともにお馴染みのブランドとなった。さらにカルソニックの熱交換器、ラジエーターは複数のF1チームやインディカー等でも採用されるなど、高い技術力を誇ってきた。
そんなカルソニックは、JGTC全日本GT選手権がスタートすると、公式なシーズンではなかった1993年にはニスモ、そして公式にスタートした1994年からはTEAM IMPULをスポンサード。1994〜95年と影山正彦のドライブで、2年連続のチャンピオンを獲得した。2000年のカンセイとの合併により社名はカルソニックカンセイとなった後、さらにイタリアのマレリと経営統合された2019年以降も、TEAM IMPULのメインのロゴはカルソニックのまま変わりなく、2022年には27年ぶりのチャンピオン獲得を果たした。日本ラヂヱーター時代を含めると、2023年で42年ものスポンサードとなる。
モータースポーツファン、特にスーパーGTファンにとっては“存在して当たり前”のようなカルソニックのロゴだったが、2023年、小さく『formerly CALSONIC(以前のカルソニック)』の文字は入るものの、そのロゴがついに『MARELLI』ブランドに変更されることになった。マレリはグローバルに展開するブランドで、カルソニック同様モータースポーツ界で『マニエッティ・マレリ』は伝統のロゴでもある。
今回のブランド変更についてTEAM IMPULの星野一樹監督に聞くと、「ロゴは変わりますが、気持ちとしては、カルソニックさんとずっとやっているのは変わらないです。今までずっと一緒に戦ってくれたロゴなので、感謝しかないですね」という。
ちなみに、新たなカラーリングは3月に入ってから実車に施されることになりそう。そして、一樹監督が熱望した『カーナンバー1でカルソニック』は、鈴鹿、富士、岡山で走行したメーカーテストでのみの勇姿となりそうだ。
とはいえ、TEAM IMPULとマレリの熱い情熱で結ばれた関係は、カーナンバー1、そして新たなマレリのロゴとともに次の時代に進むことになる。一樹監督が語るように、これからもともに戦い続けるパートナーの関係は続いていきそうだ。