3月2〜3日に鈴鹿サーキットで開催されたホンダ・レーシング（HRC）主催のスーパーGT GT500クラスのメーカーテストに、100号車STANLEY NSX-GTはオフシーズンのテスト用カラーリング『PHASE 1』をまとって登場した。コンビ結成から4年目を迎える山本尚貴と牧野任祐に、このテストカラーリングへの想い。そしてホンダNSX-GTにとってラストイヤーとなる、2023年シーズンに向けた意気込みを聞いた。
TEAM KUNIMITSUは例年、シーズン中に使用する本戦用のカラーリングとは別に、オフシーズン限定のテスト用カラーリング『PHASE 1』をマシンに施しており、オフシーズンの定番としてファンからは高い注目を浴びている。2023年の『PHASE 1』は、前後にオレンジが入るとともに、フロントからリヤにかけて“青い稲妻”模様が入るほか、フロントのホンダエンブレムの下部には、『kunimitsu spirit』の文字が入っている。
このテスト用カラーリングについて山本は、「レギュレーションにより、近年のGT500マシンは外板が大きく変わりません。なので我々にとっても、ファンのみなさんにとっても、変化が少ないオフシーズンを過ごさないといけません。チーム事情を考えるとすべてのチームができるわけではないのですけど、そのなかでTEAM KUNIMITSUとしては、少しでもお客さんに変化をもたらせればと」と、その想いを語る。
「写真を撮っていただいたり、（実際に）見ていただいて『今年のテストカラーいいな』とか、『来年はどんなカラーリングになるのだろう』という楽しみをチームが含ませてくれているので、テスト用カラーリングはドライバーとしても毎年楽しみですね。今年は新たに稲妻が入って、僕は結構好きです」
また、牧野も「（オフシーズンの）TEAM KUNIMITSUといえば、テスト用カラーリングというイメージがあると思います。僕自身、『PHASE 1』は毎年すごく楽しみにしていますし、今年もテスト用カラーリングで走ることができて嬉しいです。お客さんにも見ていただいて、楽しんでいただければと思います」と語った。
そんなTEAM KUNIMITSUは、山本、牧野のコンビでの4年目のシーズンを迎える。コンビ結成初年度となった2020年は最終戦富士にて劇的な勝利を飾り、TEAM KUNIMITSUにとって2度目となるタイトルを手にした。ただ、2021年、2022年と最終戦までタイトル候補に残るものの、2年続けてタイトルを逃す結果となった。
「牧野選手と組んで、初年度にチャンピオン獲ってから毎年タイトル争いには加わっているものの、ここ2年はタイトルを獲り逃しています。なので、（目標は）毎年変わらないのですけど、今シーズンこそは牧野選手と一緒に二度目のシリーズタイトルを獲りたいと思っています」と山本。
「また、2023年はNSX-GT最後の年でもあるので、NSX-GTにとっての優秀の美を飾れるように。牧野選手とチームと一丸となって戦いたいと思っています」
山本の抱く想いは、ともにステアリングを握る牧野も同様だ。
「僕たちは毎年タイトル争いをできていますが、去年はランキング3位という結果で、タイトルを獲ることはできませんでした。なので、今年はタイトルを奪還できるよう。NSX-GTの最後の年でもありますから、有終の美を飾って終われるようにチームと、山本選手と、みんなで一丸となって頑張りたいと思います」
3年ぶりのタイトル獲得へ向け、着々と準備を進めるTEAM KUNIMITSU。山本、牧野の決して変わることのないタイトル獲得を渇望する想いと、2023年シーズンの戦いがどのようなかたちで実を結ぶのだろうか。TEAM KUNIMITSUの戦いからは、引き続き目が離せない。
