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スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.14 21:06
更新日: 2024.04.17 20:46

LMcorsa 2024スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2024スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート

LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

15番手スタートから一時はポイント圏内がみえるポジションで好走をしたが
GR Supraの特性が活かせず、最終的には12位で開幕戦を終える

 

<気象データ>

気温:26℃、路面温度:39℃(スタート時)

 今季も6箇所の国内サーキットで8戦が開催されるAUTOBACS SUPER GT2024 SERIES。開幕戦の舞台となるのは“晴れの国”として知られる岡山県にある岡山国際サーキットで、その名のとおりレースウイークは好天に恵まれ、予選と決勝レースともに初夏のような日差しのなかで開催された。

 今シーズンのスーパーGTは環境負荷の低減などに取り組むため、レースウイークで使用できるタイヤの本数を昨年よりも減らすこととなった。開幕戦は決勝レースが300kmなので、4セット(16本)が使用可能。また、予選はふたりのドライバーが予選Q1、予選Q2を走行し、合算されたタイムの結果がスターティンググリッドとなる。2回の予選と、決勝レースのスタートから1回目のピットストップまでは同じタイヤを装着することが義務付けられていて、これまで以上にタイヤ性能が重要な要因となることが予想された。

 4月13日(土)に行われた予選では、予選Q1を吉本大樹選手が担当し、予選Q2は河野駿佑選手が走行。合算タイムは上位10番以内だったものの、予選Q1で振り分けられたグループに好調のマシンが集まっていたため、結果は15番手となり決勝レースは中団からのスタートとなった。

 決勝レース日の4月14日(日)も快晴となり早朝から多くのスーパーGTファンが岡山国際サーキットに集結し、午前中のピットウォークなどは観客でごった返していた。決勝レース前の最終チェックとなるウォームアップ走行は、12時にスタートする。気温24℃、路面温度44℃のなかでウィームアップは始まり、吉本選手が5周、河野選手が8周の計13周を周回して、決勝レース前の事前チェックを終えた。

 決勝レースは予定どおりの13時30分に、岡山県警の白バイが先導したパレードラップにより始まる。GT500クラスの15台、GT300クラスの26台の計41台は、隊列を整えて300km先のチェッカーに向けて走行をスタート。Syntium LMcorsa GR Supra GTには吉本選手が乗り込み、15番手から上位を目指した。

 しかし、オープニングラップにはGT500のマシンが接触するアクシデントが起き、6周目までセーフティカーランとなる。吉本選手は、1ポジション上げた14番手でリスタートすると、12周目には自己ベストタイムを更新して先行しているマシンとのギャップを縮めた。ただ、20周を超えるとフロントタイヤの摩耗が進み、後続のマシンとテールトゥノーズのバトルとなる。24周目には規定となっている給油作業とドライバー交換のために、ピットストップするマシンが出始まる。25周目には先行している複数のマシンがピットインしたため11番手、27周目には10番手まで順位を上げて、吉本選手もピットに戻った。

 チームは4本のタイヤ交換と給油、ドライバー交換を的確に行ない、後半のスティントを担当した河野選手をコースへ送り出す。21番手でコースに復帰すると先行するマシンとギャップがあったため、32周目、33周目に連続して自己ベストタイムを更新。35周目には15番手までポジションを戻していて、GT300クラスの中ではトップに近いラップタイムで周回を重ねていく。38周目には13番手まで順位を上げると、5番手から13番手まで8台のマシンが数珠つなぎで並び、白熱したバトルが繰り広げられた。

 ここまでハイペースで走行を続けていた河野選手だが、ライバルのGT3のバトルとなりGR Supraの長所が出にくくなってしまう。GR Supraはコーナリングスピードが速い反面、コーナーからの脱出やストレートスピードに劣る。GT3勢は車両にもよるが、GR Supraとは逆の特性を持つ。コーナーでGT3勢に押さえこまれると、加速区間では引き離されてしまう。8台の攻防が続くなかでラップタイムが落ちていくと、後続車両も追いついてくる。12番手を走行していた50周目になると、GT300の全車が規定のピットストップを終える。ポイント圏内を巡る8台での拮抗したバトルは引き続き、河野選手はポジションをキープしていく。しかし、56周目には後方から追い上げてきた56号車のGT-Rに抜かれてしまう。

 63周目にはさらに6号車のフェラ-リにもパスされ、順位を下げる。残り10周を切ると先行していたマシンが接触した影響で12番手までポジションを戻すが、先行するマシンを攻略することはできず76周目に13位でチェッカーを受けた。しかし、正式結果では先行していた56号車にペナルティが与えられたため12位となるが、ポイントに届かず開幕戦を終えた。

 単独走行でのペースは良かったものの河野選手が走行した後半のスティントでは、ほとんどがGT3勢とのバトルとなった。特性の違いから集団でのバトルになると、加速に勝るGT3勢が有利となる。ポイント圏内がみえていただけに悔しい結果となったが、レース展開が味方すれば好結果を掴める可能性もあった。次戦は優勝経験がある富士スピードウェイが舞台なので、今戦の結果を踏まえて準備を進めていく。

LMcorsa 2024スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート
Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑) 2024スーパーGT第1戦岡山

<コメント>
●飯田章監督

「少しでもポイントを持ち帰りたかったのですが、厳しいレース内容となってしまいました。2回の公式テストでは決勝レースに向けて手応えを感じていたのですが、ライバル勢も同様に進化していて、ポジションを上げることができませんでした。ただ、先が見えないかと言われれば、そうではなくポジティブなところもあります」

「GR SupraはGT3勢との集団になると強みが出せないので、やはりスタートポジションが重要でした。予選での速さを見出すためにチーム力を振り絞り、次戦の富士スピードウェイでは上位に入りたいです」

●吉本大樹選手

「決勝レースはスタートドライバーを務めて、ほぼ予定どおりの周回を走行しました。スティントの後半は、フロントタイヤのグリップ感が薄れて苦しい展開でした。それでも要所を押さえればポジションを下げることはないと考えていて、そのとおりに走れました」

「河野選手のスティントは終始、数珠つなぎのバトルで、GR Supraの長所が消されてしまいました。ミスなく走ったのにポイント圏外というのは辛い結果ですが、しっかりとレースを振り返って、次戦に向けての対策を行っていきます」

●河野駿佑選手

「50周の後半スティントは、久しぶりにバトルが続いて非常にタフな戦いでした。ペースは想定よりもよく手応えがあったのですが、競っていたGT3勢は加速力が優れていてストレートスピードが速く、GR Supraの得意なコーナリングスピードが活かせませんでした」

「単独で走ればライバル勢より速かったと思いますが、集団だとコーナーからの脱出で抜かれてしまします。グリッドがもう少し上だったら違った展開になっていたはずなので、チームとしっかりとミーティングをして、次戦では予選でトップ10内を狙えるようにします」


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