外装のデザインはオーダーメイドで作成することができる。ユーザーの要望に合わせて、XEV社のデザイナーがデザインを考案するという流れだ。

 また、販売されたデザインはデータベースに集約され、ユーザーは過去のデザイン例を参考にすることもできる。

 3Dプリンターの最大のメリットは、外装部品の製造に必要な“型”が不要なことだ。これにより維持コストや保管場所が不要となる。XEV社のような小規模ベンチャー企業でも車両の量産がしやすくなる。

 さらに、データを入力すれば変幻自在な加工が可能で、顧客ひとりひとりの注文にも融通が利く。パーソナライズされた物の販売サービスは、自動車メーカーを含めたものづくり企業が目指している新たな製造スタイルだ。

 ちなみに2018年に開催の中国積層造形展向けに発表されたYOYOの資料の中には、人気アニメ、ポケットモンスターのピカチュウを思わせるデザインの製造も可能と説明されている。その車両イメージ画像には耳と尻尾がついている。

 懸念事項もある。後続距離が150kmとのことだが、資料にはエアコン使用時の電力消費量は明かされていない。

 またルーフがガラス張りなために、採光性は良いが夏場は車内の暑さが心配だ。

ダイムラー社が手がけるSmart Fortwo
ダイムラー社が手がけるSmart Fortwo

 YOYOのようなLSEVの将来性に関してはどうだろう。

 製造コストが低く、CO2排出量ゼロという強みは欧州市場には受け入れられやすいだろう。欧州はライドシェアが盛んで、ことドイツにおいては『CAR2GO』というカーシェアリングサービスが都市圏を中心に展開中だ。

 CAR2GOが提供する車両には、ダイムラー社が手がける『Smart Fortwo』という2シーターがラインアップされていて、街乗り需要を満たしている。

 また、Smart FortwoをEV化した車両でのカーシェア実証実験がすでに開始されており、LSEVが暮らしの中に“当たり前に存在する”日々はすぐそこまで来ているだろう。

 日本においても、LSEVはすでに生活に溶け込みつつある。例えばトヨタ車体が製造し、セブンイレブンの配達車両EVとして使用されている『コムス』がその筆頭だ。

 また、持続可能社会の推進を考慮すればEVの存在は欠かせない。欧州同様に、特に短時間、近郊での利用が盛んなカーシェアにLSEVが用意される未来も考えられる。

 現在カーシェアを利用する企業も増えてきており、企業の環境意識に対するイメージ戦略として、EV車両を使用するシーンも増えるだろう。現に米AmazonではCO2削減策として社用車をEVに切り替えると宣言している。

 さて『YOYO』の購入方法だが、クラウドファンディングで購入権を獲得する方法が採用されていたが、残念ながら現在は終了してしまっている。出荷開始は2020年12月からの予定なので、イタリア全土を走行する郵便配達シーンも追跡していきたい。

ドイツのカーシェアリングサービスCAR2GOではEV実証試験が行われている。
ドイツのカーシェアリングサービスCAR2GOではEV実証試験が行われている。

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