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国内レース他 ニュース [PR]

投稿日: 2022.09.27 08:30
更新日: 2022.09.27 08:34

ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)2022年シーズン、各クラスのチャンピオンが早くも決定

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国内レース他 | ポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)2022年シーズン、各クラスのチャンピオンが早くも決定

 開催22年目と日本国内のワンメイクシリーズとして最も長い歴史を誇るPCCJは、今シーズンからニューマシン『911 GT3カップ(タイプ992)』を導入。4.0リッター水平対向エンジンを搭載し、8400rpmで先代モデルを25ps上回る最高出力375kW(510ps)、6150rpmで470Nmの最大トルクを発生する。

 外観もカップカーとしては初となるワイドなターボ仕様の軽量ボディを採用し、スワンネックタイプの大型リヤウイングを備えたリヤスポイラーと、レースに適合されたフロントエプロンの組み合わせにより、空力ダウンフォースは大幅に増加している。

 このニューカップカーで競われているPCCJ2022年シーズンは、4月16日〜17日に岡山国際サーキットで開催された第1-2戦で幕を開け、富士スピードウェイで第3-4戦、第7-8戦と2大会、鈴鹿サーキットで第5-6戦、第9-10戦、第11戦と3大会の計全11戦で行われている。

 クラスは、参加ドライバーの経験や過去の成績などで『プロクラス(Pro)』『プロアマクラス(ProAm)』『アマクラス(Am)』の3つに区分されており、各クラスのチャンピオンを目指して熱い戦いが繰り広げられている。

 今シーズンは、10月7日〜9日にF1日本GPのサポートレースとして開催される最終戦の第11戦を残しているが、先日の第9-10戦・鈴鹿大会で早くも3クラスともにチャンピオンが決定した。

 シリーズチャンピオンとなるプロクラスの王者は2013年、2014年にPCCJ2連覇を達成している小河諒が、PCCJ史上最多の4度王者に輝いている近藤翼とのポイント争いを制して8年振りに戴冠。

 プロアマクラスはIKARI、浜崎大、武井真司と3人のベテランドライバーが高レベルな戦いを繰り広げていたが、第10戦 鈴鹿大会で今シーズン5回目の勝利を飾ったIKARIが悲願のクラスチャンピオンに輝いた。

そして今シーズン、エントリー台数が最も多かったアマクラスはPCCJ初参戦のMOTOKI TAKAMIが、ここまでの予選全10戦でクラスポールポジションを獲得し、レースでは10戦中9勝をマークしてクラスチャンピオンを獲得した。そこで今回は各クラスチャンピオンの喜びの声をお伝えしよう。

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■PCCJ2022シリーズチャンピオン/60号車 小河諒
「PCCJで2013年、2014年に2年連続でチャンピオンを獲得し、その後は他のカテゴリーに参戦していたのですが、縁あって2019年から再び参戦することになりました。ワンメイクレースであるPCCJは、クルマやタイヤが一緒というだけでなく、セッティングの幅も限られているのでドライバーとチームのコミュニケーション能力、ドライバーの腕が鍵となるので、ドライバー能力を示すにはこれ以上ないステージだと思っています」

「しかも、トップ争いのレベルも高くて、PCCJ出身ドライバーの多くはスーパーGTなどのトップカテゴリーで活躍しているので、PCCJで結果を出すことは非常に大きい意味を持っています。実際、昨年PCCJで一緒に戦った大草選手も今年GT1年目ながらGT300クラスで活躍をしていますからね」

「僕がPCCJに復帰した2019年は笹原選手、上村選手と、2、3年目は近藤選手、上村選手とレベルの高いバトルを繰り広げられたので楽しいシーズンを過ごすことができました。クルマも、かつてチャンピオンを獲ったときは2013年がタイプ997の後期、2014年がタイプ991の前期で、復帰した2019年からはタイプ991の後期でABS付きでした」

「そして今年は、タイプ992で3回目のPCCJチャンピオンを獲得することができましたが、予選で一度も近藤選手に勝てていないのと、第10戦で勝ってチャンピオンを決められなかったのが悔しいんです。確かに決勝で近藤選手に勝って3勝を上げているのは、第4戦・富士大会でバトルを制しての結果もあるため自信には繋がっていますが、予選一発の速さもあればもっと違ってレース展開ができたはずだと思っています」

「特に今年は、近藤選手が第7-8戦 富士大会を欠場したからチャンピオンを獲れたのでしょうと言われないためにも、最終戦 鈴鹿ではまず予選でポールポジションを獲りにいきます。そして決勝でも、近藤選手とのバトルを制して勝ち、シーズンを終えたいと思っています」

2022年のPCCJシリーズチャンピオンを獲得した小河諒
2022年のPCCJシリーズチャンピオンを獲得した小河諒
小河のPCCJ王座獲得は2013年、2014年に引き続いて3回目。今年はここまで10戦中5勝をマークしている
小河のPCCJ王座獲得は2013年、2014年に引き続いて3回目。今年はここまで10戦中5勝をマークしている

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■PCCJ2022プロアマクラスチャンピオン/98号車 IKARI
「今年はニューカップカーが導入されましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もありエントリー台数が少なかったこともあるのでチャンピオン獲得と言っても……。もっと台数がいて、たくさんの人とバトルをしながら勝ってタイトルを獲れたならば本当に嬉しかったのですが」

「また今年は、アマクラスに初めて参戦されたTAKAMI選手が本当に速くて、凄いドライバーが出てきたと思っています。僕の記憶では、プロと競り合って前を走ったのは星野選手と武井選手しかいないはずなので。でも、プロアマクラスのチャンピオンとしては最終戦こそ予選でTAKAMI選手を上回るタイムを記録して、決勝でも納得いく走りでトップチェッカーを目指したいと思います」

2022年のPCCJプロアマクラスチャンピオンを獲得したIKARI
2022年のPCCJプロアマクラスチャンピオンを獲得したIKARI
IKARIは10戦すべてでポイントを確実に獲得し、シーズン5勝をマークしたことで王者に輝く
IKARIは10戦すべてでポイントを確実に獲得し、シーズン5勝をマークしたことで王者に輝く

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■PCCJ2022アマクラスチャンピオン/10号車 MOTOKI TAKAMI
「シーズン開始当初は、レース慣れしていないこともありスタートで苦労していた点もあったのですが、場数を踏むことで自分でも最初の頃とかなり変わったと思っています。とにかく今年は練習で走り込むことにより、予選でタイムを出すことができてグリッド前方を確保できても、スタートでミスして順位を落としてしまうことが前半戦はありましたから。でも、後半戦はタイムでもプロアマクラスを上回ることができ、いくつかのレースでは前でフィニッシュできて嬉しかったですね」

「これらはすべて練習の成果であり、今年の目標であったアマクラスのチャンピオンを獲得できて良かったです。ただ、1回だけ優勝を逃してしまったのは悔しいですね。自分でミスをしてしまった結果なのですが、それも勉強になったので自分としてはプラスになったと考えています」

「そして第9戦決勝では、プロクラスの前を走れたことがいい経験と収穫になりました。あの経験をどのように生かすことができるかで、自分の成長も違ってくるのでしょうね。残るは最終戦のみですが、F1のサポートレースは初めての経験なのでとても楽しみにしています。予選でプロクラスと1秒以内差に入って、決勝ではしっかりと結果を出したいと思います」

第9戦の鈴鹿ではアマクラスのMOTOKI TAKAMIがプロクラスの2台を抑えて数周に渡り総合トップを走行した
第9戦の鈴鹿ではアマクラスのMOTOKI TAKAMIがプロクラスの2台を抑えて数周に渡り総合トップを走行した
2022年のPCCJアマクラスチャンピオンを獲得したMOTOKI TAKAMI(左)とお祝いに駆けつけたGTドライバーの大湯都史樹
2022年のPCCJアマクラスチャンピオンを獲得したMOTOKI TAKAMI(左)とお祝いに駆けつけたGTドライバーの大湯都史樹

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 なお、最終大会となる第11戦はF1日本GPのサポートレースとして10月7日(金)〜9日(日)に、鈴鹿サーキットで開催が予定されている。各クラスともタイトルの行方は決定してしまったが、プロクラスは小河がコメントで語っているように予選で近藤翼とのポールポジション争いに打ち勝つことができるのか、ポルシェジャパンジュニアドライバーの山本聖渚を加えた3人の戦いの行方が注目される。

 特に山本は、鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-Formula)の卒業ドライバーという経験を生かし、先輩ドライバーを脅かす存在になれるのだろうか。

 そして、プロアマクラスとアマクラスの王者対決も見逃せない。第9-10戦の鈴鹿では、予選、決勝ともにアマクラス王者のMOTOKI TAKAMIがプロアマクラスを上回る成績を収めているだけに、プロアマクラスの王者IKARIとしてはリベンジを果たしたいところだろう。

 しかも、両クラスとも2位以下のランキング争いが混沌としており、F1サポートレースという大舞台でいつも以上に気合いが入るドライバーもチャンスを狙っている。鈴鹿のF1日本GPでは、F1同様に熱きバトルが予想されるPCCJの戦いにもぜひ注目してもらいたい。


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