「今年、新しいパワーユニットコンセプトを導入しました。そのため私としては今年は再び1年目であるといったような考え方をしています」と長谷川氏はホンダの公式サイト上のインタビューにおいて語った。
「私たちの目標は2017年のコンセプトを2018年シーズン、さらにできれば2019年に向けて開発していくことです。エンジンの重量、重心、燃焼コンセプトは他のエンジンマニュファクチャラー3社と同じ方向に進んでいます」
「私たちにとってそれは良いことでした。他のエンジンマニュファクチャー3社に追いつくため、こういった部分の一部仕様をモディファイすることができます。去年のエンジンコンセプトは全く異なっていました。そのため小さなモディファイでは同じようなパフォーマンスを再現することはできませんでした。そのため今年はエンジンコンセプト全体を変更する必要があったのです」
しかしコンセプトを一新したことで、信頼性のトラブルが多発し、ホンダは対策に追われることになった。
「大まかに言うと、完全に新しいエンジンの設計をするには約1年がかかります。そのため2017年のエンジン開発を昨年5月にスタートしました」と長谷川氏。
「今年のパワーユニットは昨年末にでき上がっていました。同時にモノシリンダーテストや他のエンジンでの実験的テストも行いました。しかし完成したエンジンを初めて始動した時、期待に沿った耐久性、あるいはパフォーマンスをもたらしてはいないことが分かりました。多数の小さな問題も発見しました。そのため、細かい修正を行う必要が出てきたのです」
「こういった細かい要素を解決した後、今年初めにフルコンセプトのテストをスタートしました。これが最初の“スペックゼロ”です。最初の冬季テストの前に、ダイナモでテストを行いましたが、もちろんその時にはパワーが私たちのターゲットに達していないことは分かっていました」