F1メキシコGPの主催者は、レースを6月開催に変更する案は受け入れられないと述べている。
過去3年間にわたり、アメリカGPとメキシコGPは2週連続で開催されてきたが、アメリカの主催者がスケジュールの変更を求めているという。ふたつのグランプリの地理的な近さとタイミングが、イベントの成功を妨げることを米国側主催者が懸念しているのだ。
今月初め、オースティンの主催者であるボビー・エプスタインは「主催者にとっては2つのレースがスケジュール上もっと離れている方がありがたい。メキシコはカナダ(6月開催)と組み合わせてはどうか。アメリカはブラジルと組み合わせる」とロイター通信に述べた。
しかしメキシコ側の主催者であるアレハンドロ・ソベロンは、それは不可能であり、アメリカ側が日程を変えるべきだと主張する。
「ボビーは素晴らしい男で尊敬している。ふたつのレース日程を離すのは良いアイデアだが、ボビーの方が6月に変更するべきだ」
「カナダとアメリカを組み合わせる方が合理的だろう。両グランプリは地理的により近い。6月に開催し、双方のレースチケットを販売するためのパッケージを作ることもできる」
ソベロンが懸念している最大の問題点は天候だ。6月への変更は、1年で最も雨量の多い時期にレースを開催することを意味している。
「雨季の6月にレースを移すことは不可能だ。週末に雨が多く降っていては、全体的に良い体験をすることは不可能になってしまう。ボビーの考えに同意することは多々あるが、我々が6月に日程を変更することはできない」
現在メキシコGPは10月末に開催されているため、レースは同国で有名な“死者の日”の祝祭の重要な一部となっている。直近のレースチケットは地元のセルジオ・ペレスファンの大きなサポートもあり、完売となった。
「街では大きなお祭りになっていて、我々は現在の日程に満足している」とソベロンは言う。
今季のレースは5年間の契約の3年目にあたるものだった。ソベロンは、契約延長の交渉が間もなく始まるものと予想している。
「今年は我々の3度目のレースで、来年には契約延長の話し合いが始まるだろう。レースは国に大きな注目を集めてくれるし、経済的にも良い影響がある」
たとえそうだとしても、継続のための要素の多くは、メキシコ政府がイベント支援を継続するかどうかにかかっている。来年にはメキシコで選挙が行われる予定となっており、ソベロンはこれに期待をかけている。
「メキシコでは選挙がある。新政府が樹立されるだろう。新政府と、F1の(契約)延長の可能性について話し合う必要がある」