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F1 ニュース

投稿日: 2018.06.19 12:22
更新日: 2018.06.25 12:33

カナダGPで大きな前進、ガスリーも新型パワーユニットに好印象/トロロッソ・ホンダF1コラム

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F1 | カナダGPで大きな前進、ガスリーも新型パワーユニットに好印象/トロロッソ・ホンダF1コラム

 シーズン開幕前から「一歩、一歩、前へ進んできます」と言い続けてきたトロロッソ・ホンダは、カナダGPで大きな一歩を踏み出した。

 それはもちろんホンダの“スペック2”パワーユニット投入だ。数値で言えば「20kW(約27馬力)に届かないくらい」(ホンダ関係者)の出力アップであり、ラップタイムにして0.4秒弱のゲインということになる。しかしその数値以上にドライバーたちはスペック2の威力を体感し、高く評価した。

 ピエール・ガスリーは旧型から新型への交換で19番グリッドからのスタートを強いられたが、フォース・インディアとハースをコース上で抜いて11位までポジションアップを果たした。

2018年F1第7戦カナダGP ピエール・ガスリー
2018年F1第7戦カナダGP ピエール・ガスリー

「全体的なパフォーマンスも向上しているし、バッテリー(デプロイメント)やエネルギーマネジメントも良くなっている。本当にすごく良いステップだったと思うよ。旧型仕様のパワーユニットで走っていたら、例え16番グリッドからスタートしていてもここまでポジションを挽回することはできなかったと思う」

 実は、同じ20kWの出力アップでもラップタイムやバトルでの競り合いに同じような効果を発揮するとは限らない。ピークパワーが20kW向上しても、低速トルクが細ければその効果を発揮できる時間は少なくなってしまう。ドライバビリティが悪ければ、加速の時点で後れを取ってしまう。

 昨年レッドブルのリザーブドライバーとしてルノーが投入するアップデートの数値とコース上での効果の違いを目の当たりにしてきたガスリーは、そのことを良く知っていた。だから今回のアップデートに対しても実際に走り出してみるまでは慎重な姿勢を見せていた。

「過去数年間、レッドブルのリザーブドライバーとして見てきた経験からいうと、パワーユニットの何kW上がったというような数字はそのままコース上の速さに直結しないことも少なくなかったんだ。だから僕は紙の上の数字にあまり踊らされすぎたくないし、慎重なんだ。実際に走ってみてそのデータ上での純粋な数字が確認できて初めて、クリアな答えが得られると思う」

 実際に走ってみてガスリーはその効果を実感したが、モナコとカナダではコース特性が全く異なり、マシンの空力パッケージも全く異なるだけに、新旧の差がはっきりと分かるというものではなかった。しかし土曜フリー走行3回目でMGU-Hにトラブルが発生し旧型ICEで予選を戦ったことで、皮肉なことに同じサーキットと同じ空力パッケージでパワーユニットの新旧比較ができることになった。


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