逆にハートレーはターン1手前でガスリーのイン側に並びかけるほどの好発進を決めたものの、無用な接触を避けるために引いて後退。ルノー勢とのバトルになったがコース上では抜くことができず、彼らに合せてピットインしたことも命取りとなって延々と前走車のペースに付き合わされるレースになって11位に終わった。
この両者の結果の差が、今の中団グループの争いの厳しさを表わしている。クリーンエアで本来の力を発揮できれば6位になれるクルマでも、集団に飲み込まれればたちまちポイント圏外に落ちる。スタート直後のポジション次第では、ガスリーとてハートレーのような展開になっていてもおかしくはなかったのだ。
トロロッソ・ホンダがハンガリーで良い仕上がりを見せたことは確かな事実だ。しかしウエットコンディションに恵まれた予選の結果が純粋な実力を表わしているわけではなく、そのポジションから臨んだからこそ決勝も有利な展開になったが、6位とノーポイントは紙一重だということも忘れてはならない。
トロロッソはチームとして今回のマシンが良かった理由をしっかりと分析し把握する必要がある。ハンガリーで予想以上の速さを発揮した理由が何だったのか、そしてそれ以前のレースで予想以下の速さしか発揮できなかった理由は何だったのか。
それが把握できなければ、今後もセットアップの精度を高めることはできず、予想以上・以下のどちらに振れるか分からない不安定なシーズンが続いてしまうだろう。そしてホンダも車体側にもっと空力セットアップの“幅”を与えられるようパワーアップに努めなければならない。フェラーリ勢が調子を上げてきているように、予選結果に直接影響するパワーユニット・予選スペシャルモードの実戦投入も急がれる。
ハンガリーGPの6位入賞は福音ではなく、むしろ警鐘だ。そう捉え努力を続けなければ、トロロッソ・ホンダのシーズン後半戦は再び厳しいものになってしまうだろう。